2019.09.12
# ストレス # ライフ # 心理学

「家にいるのに帰りたい…」と感じてしまう不思議な心理の「正体」

言葉では説明しづらい“あるある”
西多 昌規 プロフィール

どこにいても仕事がやってくる恐怖

2019年4月より、「働き方改革関連法」が施行された。長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方、公正な待遇などの方向性が示されている。しかし、このような法律改正が行われた背景には、人間らしく働く条件を軽視したブラック企業の存在などが背景にあったことは事実である。

労働時間だけが、ストレスではない。サービス業などは、自分の正直な気持ちを殺して、他人の機嫌を取らなければならない。精神的なストレス、いわゆる「感情労働」の要素が、強迫的な「おもてなし」精神より、医療や教育、何気ないコミュニケーションも含めて、サービス業以外の分野でも強要されている印象がある。

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さらに現代における仕事の特徴としては、インターネットを用いるコミュニケーションツールの急速な発展のおかげで、365日24時間いつでも、しかも世界中どこにいても、瞬時にしてコミュニケーションが可能になったことである

つい先日も、海外出張中だったわたしのもとに学生からLINE経由で相談があり、その場で速やかに対応した。海外でやや羽根を伸ばしているところに、メールで仕事の依頼ももちろん届く。プライベートと仕事の境界がなくなってきているのを実感する機会が、どんどん増えてきている。さらに、早いレスポンス=スピード感も要求される。

ネットや働き方改革などが今後発展しても、仕事は平気で家やプライベート空間・時間を侵蝕してくる。このままでは家にいてゆっくりしていても、仕事のことで頭がいっぱいな人は、減らないような気がしてならない。出勤もしていないのに「家に帰りたい」と思うのは、仕事がプライベートに侵蝕して居座るストレスと見ることもできる

ちなみに、諸外国の文化でこのような心理現象があるのかどうかは、定かではない。ただ、西洋文化は、旧約聖書による「仕事は、神から与えられた罰である」という観念から、仕事よりも家族・プライベートが優先される。もしかしたら、日本人に多い、あるいは特徴的な現象の可能性もある。外国人から見た『サボリ先輩』の感想を聞いてみたいところだ。

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