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# 働き方改革

働き方改革で「中小企業の正社員」がいちばん報われないワケ

大企業との格差は縮まらない
働き方改革の目玉の一つである残業時間の削減。目標を実現するため、中小企業に仕事を丸投げする大企業もある。このため中小企業に勤務する社員の労働時間が減らないという問題が発生している。
しかし、実はもっと深刻な問題がある。それは働けど働けど中手企業の正社員の給料が上がらないことだ。非正規社員の待遇改善が進めば、正社員との逆転現象も起こるかもしれない。社会保険労務士の佐藤敦規氏が、その実態を明かす。

非正規社員の待遇改善が進んでいる

政府の働きにより非正規社員の給料が上がってきている。

一つは最低賃金のアップによるものだ。

10月1日以降、東京1013円、神奈川1011円と初めて1000円を超える都道府県が誕生する。

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もう一つは、同一労働同一賃金への対応によるものである。

来年の4月1日から大企業に勤務するパート、アルバイト、派遣社員(派遣会社の規模に関係なく)の給料などが改善される見込みだ。特に著しいのが派遣社員である。

派遣会社は、派遣社員に対して、派遣先企業の同じ仕事をしている社員と同じレベルの給料を支払うか、厚生労働省が公表する統計の一般労働者の職種ごとの時給以上の賃金を支払わなくてはならなくなる。

 

厚生労働省は勤続年数に伴う昇給についても指針を公表している。

7月17日の日経新聞に「派遣社員、3年勤務なら時給3割上げ 厚労省が指針」という記事が掲載されたので、記憶に残っている人もいるであろう。

派遣社員の待遇が大幅に改善されることは事実である。

今まで支給されないこともあった交通費の支給が義務付けられる。

また大半の派遣社員になかった賞与と退職金も支払わなければならなくなる(時給に上乗せする方法でもよい)。

つまり正社員の待遇に近づいたといえる。