# 地方創生

「ポンコツ経営者」と「おかしな公務員」が地方再生で大活躍するワケ

種をまき、草木は生い茂った
山田 崇, 吉田 基晴

変態公務員たちと山脈を作る

山田 私の場合、自分が面白いと思うことを少人数でやっていたら、周囲が「何やっているんだ?」と見にきて、袖が引っかかるパターンが多い。

吉田 結果的に巻き込まれるパターンということですね。

山田 まあ、順番の問題なんでしょうけど、私の関心としては、世の中に2.5パーセントしかいないイノベーターたちをいかに動かすかのほうにありますね。シーツをつまみ上げると、富士山みたいな形になるじゃないですか。つまみ上げるのが私一人なら富士山だけど、複数いたら山脈みたいになっていく。

 

吉田 全体に裾上げされますよね。関係ない人も巻き込まれていく。

山田 MICHIKARAフォーラムという、MICHIKARAの啓蒙活動をもう3年やっているんです。すると、自分のような変態公務員が、日本全国の自治体にいることがわかってきた。しかも、バイネームでわかるんです。こんなの10年前には考えられなかった展開ですよ。

吉田 山田さんの本のタイトル(『日本一おかしな公務員』日本経済新聞出版社)じゃないけど、全国の「おかしな公務員」たちとつながればいいんですよね。いまはそのためのツールもいっぱいあるし。

山田 そうなんです。これまでは自分がテコを1本だけ入れるイメージだった。同時に何本ものテコを入れられるんなら、そちらのほうが効率いいですよね。

「おかしな公務員」たちが自治体の境界を越えて活動するために、つい最近、仮想市役所というのをネット上に作ったんですよ。「市役所をハックする」というプロジェクトです。会費は月額3000円ですが、そうして集まった「税金」を使って、従来の市役所では不可能だった実証実験をやろうとしている。

公務員の体温を上げる

吉田 地方創生にはさまざまなプレーヤーがいますけど、僕たちのようにビジネスでやっている人間は、生活費を稼がないと続けられない。それを考えると、寝ても覚めても365日、地域と向き合えるのって公務員さんしかいない。本当に素敵な仕事だと思うし、だからこそ公務員さんの体温を上げていきたい。

山田 体温を上げる? みんなけっこう真面目にやっていると思いますけど……。

吉田 やる気とかいう意味ではなくて。例えばサテライトオフィス誘致で「なんでもいいので3社」とか言うんですよ。地域おこし協力隊の採用だって「隣町は5人だから、うちは6人」とか。そんな失礼な話ありませんよね。

数値目標の達成だけに関心があって、ベンチャー企業や若者を「のっぺらぼう」な記号として扱っている。ナンパするときに「誰でもいいので、今晩やれる人探しています」なんて言わないでしょう?

山田 ああー、なるほどお(笑)。人間としての温かみみたいな意味で「体温」とおっしゃっているわけですね。