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# 地方創生

人口わずか6400人の町に「本社を置きたがる」企業のホンネ

チャンスは地方のほうが多い
かたやビジネスマンとして、かたや地方公務員として地方を元気にしてきた二人――。かたや徳島県に自身の経営するIT企業を移転させるだけでなく、全国で100近い自治体を支援してきた吉田基晴氏。かたやユニークな企画を次々と打ち、長野県塩尻市を「都会の大企業が押しかける町」に変えた塩尻市役所の山田崇氏。この二人がじつはいま都会よりも「地方のほうがチャンスが多い」と語る真意とは? 

●第1回はこちら:https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67053

新しいゲームを作りたい

吉田基晴(以下、吉田)最近、「地方創生疲れ」みたいなことも言われますけど、そんななかで第2シーズンが始まろうとしている。どうお考えですか?

山田崇(以下、山田) 地方創生が始まって丸5年、結果だけ見たら、少し東京一極集中が加速しちゃった。地方の人口を増やすという文脈では語れなくなったので、最近は「関係人口」という新たな指標が注目されている。

吉田 移住するか観光で遊びに行くかの二者択一でなく、例えば東京に住みながら、塩尻市や美波町を盛り上げていく人を増やすと。

山田 論点をズラしたようにも見えるけど、それはそれでいいと思うんです。地方を元気にするとかいっても、国だって答えを持ってないんですから。答えは誰も知らない。でも、誰かがやらなきゃ、永遠に答えは見えてこない。答えを探そうと挑戦する人を、国が応援することはもう少し続いていいかなと。

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吉田 同感ですね。僕はゲームチェンジしたいんですよ。陸上競技の決められたコースを一所懸命に走るのは、日本人は得意なんです。でも、そのやり方では答えが出てこないことがわかった。隣町と奪い合っているだけで。

山田 私も奪い合う移住定住には違和感をおぼえていて。「みんなの移住計画」という活動に、「信州移住計画」を立ち上げて参画しています。塩尻だけに人が来ればいいという発想を捨てたい。

 

吉田 徳島県と高知県って、参院選では合区なんですよ。ところが、県境を越えた共同事業なんてほとんどない。それぞれバラバラにやっているだけ。それじゃあ、地方は盛り上がりません。「いまの競技じゃダメなんだ。誰か、面白い新競技を作ってよ」と国も考えているはずで、その新しいゲームを僕らが作ればいいわけです。

山田 結果的に国も喜ぶ。

吉田 彼らに「そうそう。関係人口という言葉で表現したかったのは、これなんだよ!」と言わせてあげればいいわけです。ただし、食べ放題の店でお代わりして残すって、最低の人間じゃないですか。せっかく「地方創生お代わり5年」というチャンスをもらったんだから、「残さず食べなきゃな」とは肝に銘じています。