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混沌の香港デモ、その先に待ち受ける「中国政府が描く驚きの未来図」

そして人民解放軍が台湾になだれ込む…

中国政府はどう見ているのか

おととい9月8日の日曜日、香港で、再び大規模なデモが行われた。

その4日前、すなわち9月4日、香港行政府トップの林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官は、重要なカードを切った。6月に、デモが起きる発端となった「逃亡犯条例」の改正案(犯罪容疑者を中国大陸にも引き渡せるように改正)を、完全に撤回すると発表したのだ。

ところが、デモは一向に収束する気配を見せず、「五大訴求、欠一不可」(5大要求のどれ一つが欠けてもならない)が、このところの香港の若者たちの合言葉となっている。「5大要求」とは、

1)逃亡犯条例改正案の完全撤回
2)デモを「暴動」と認定したことの撤回
3)警察の暴力に対する独立調査委員会の設置
4)拘束中のすべてのデモ参加者の釈放
5)普通選挙(完全な民主選挙)の実現

である。

この混沌とした状況を、中国政府(共産党政権)はどう見ているのか? そして、どう収束させるつもりなのか?

緊急で、中国の関係者に聞いた。以下は、その一問一答である。

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中国のルールに従ってもらう

――9月4日、林鄭月娥長官が逃亡犯条例の完全撤回を表明した。これは中国政府と綿密に打ち合わせた上でカードを切ったものなのか?

「もちろんだ。香港は『一国二制度』を敷いているが、中華人民共和国の特別行政区だ。林長官が下す重要な決定事項や発言などは、すべて中国政府の許可を得て行っている」

――「9月4日」という日付も、中国政府からの指示だったのか?

「具体的な日にちは、林長官が香港特別行政庁の幹部たちと話し合って決めたものだ。ただ、10月1日に北京で建国70周年記念式典を控えていて、香港では9月11日と12日に『一帯一路』サミットが行われる。そのため、その前に重要なカードを切ったということだろう」

 

――それにもかかわらず、9月8日の日曜日には、再び「5大要求」を掲げて大規模デモが起こった。

「まさに『廃青』(フェイチン=廃人と化した青年)たちによる『損人利己』(スンレンリーズ=他人に損害を与えて自己の利益を得る)を正当化するための悪辣なスローガンだ。彼らの愚行は、『賊喊捉賊』(ゼイハンジュオゼイ=盗人が「盗人がいる」と叫ぶ)というものであり、香港の安全と発展のため、早急な『止暴制乱』(ジーバオジールアン=暴力を止め動乱を制する)が求められている」

――「5大要求」のうち、根本的な問題だった逃亡犯条例の改正案は、完全に撤回された。中国政府として、残りの4項目は呑めないものなのか?

「絶対に呑めないのは、普通選挙の実現だ。これを許すことは、香港の独立を許すことだからだ。

それから、現在拘束中のデモ参加者は、少なくとも10月1日の建国70周年記念式典をつつがなく終えるまでは、釈放しない。デモ参加者に(拘束されて釈放されないという)恐怖心を与えることで、参加者を減らす効果がある。あとの二つの彼らの要求は、是々非々の問題だ」