トランプが日本に「トウモロコシ」を買わせたがる理由

全ては再選までの「つなぎ」か…?
海野 素央 プロフィール

トランプ大統領は「ロシアによるクリミア半島併合はオバマ政権時代に起こった」「シリアで多くの子供たちが毒ガスで死んだ」「シリアがレッドライン(超えてはならない一線)を超えてもオバマは攻撃をしなかった」などと、オバマ前大統領への批判を展開しました。

要するに、来年のG7サミットの米国開催を控えて、トランプ大統領は「自分はオバマよりも優れたリーダーであるプーチンと人間関係を築いた。自分はプーチンと交渉ができる」というメッセージを発信したいのでしょう。オバマ前大統領と自分を比較する最大のメリットは、「オバマ嫌い」の人々の支持基盤を固めることです。プーチン復帰にも再選に向けた戦略が隠されているわけです。

しかも、トランプ大統領にはプーチン大統領に対して、モスクワでの女性スキャンダル隠蔽やトランプ陣営を助けた選挙介入などの「借り」があります。これらもプーチン大統領のG7サミット復帰を強く推す要因に含まれているとみることができます。さらに言えば、トランプ大統領は「来年の選挙もよろしく」という暗黙のメッセージをプーチン大統領に発信しているのかもしれません。

 

トランプ一族のリゾートで開催?

フランスでのG7サミットにおける記者会見で、トランプ大統領は12の候補地を検討した結果、フロリダ州マイアミが開催地の最有力候補になっていると明かしました。そのうえで、トランプ一族が運営するゴルフリゾート「トランプ・ナショナル・ドラル・マイアミ」のホテルには各国の代表団に割り当てる部屋が充分あり、「すばらしい会議室」も備わっており、マイアミ国際空港からも近距離であると述べて、強くアピールしたのです。

トランプ・ナショナル・ドラル・マイアミ(Photo by gettyimages)

これに対して、米メディアからは早くも批判の声が上がっています。G7サミットの会場に自身の所有地を選択すれば、参加国から経費を得ることになるからです。つまり、「公職者であるトランプ大統領がG7サミットを利用して外国政府から利益を得る」ということになるうえ、ゴルフリゾートの知名度を高めることもできるというわけです。

米メディアによれば、仮にサミット会場がこのゴルフリゾートに決定すれば、周辺のインフラ整備も行われ、やはりトランプ一族にとってメリットになります。

大統領選挙との関係も見逃せません。サミットの12の候補地の中で、大票田のフロリダ州は、来年の選挙においても激戦州になることは間違いありません。

プーチン大統領に加えて、次のG7サミットに習近平中国国家主席も招待し、自身のリゾートで米中貿易交渉に終止符を打つ合意を発表し署名をする――という派手な演出さえも可能です。仮にそうなれば、全世界に大きなインパクトを与え、政治的得点をかなり稼ぐことができますし、ライバルの民主党候補にも不利に働きます。