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トランプが日本に「トウモロコシ」を買わせたがる理由

全ては再選までの「つなぎ」か…?

自らを「救世主」にたとえる

ドナルド・トランプ米大統領は、どのように米中貿易戦争と日米貿易交渉を関連づけているのでしょうか。なぜトランプ大統領は主要7カ国首脳会議(G7サミット)にプーチン露大統領を復帰させ、G8サミットに戻したがっているのでしょうか。来年のG7サミットで議長役を務めるトランプ大統領が、サミット開催地にフロリダ州マイアミを挙げた理由は、どこにあるのでしょうか。

これらの質問に対する回答が、フランスで開催されたG7サミットにおけるトランプ大統領の言動から見えてきました。

 

トランプ大統領はG7サミット出発前に、ホワイトハウス記者団からの「中国との貿易戦争を継続する価値はありますか」という質問に対して、「中国は米国を食い物にしてきた。誰かが貿易問題で中国と対決しなければならない。私は『選ばれし者』である」と、両手を開きながら一瞬空を見上げて回答しました。

トランプ大統領は自身を「救世主」に喩えたのです。自分が神のお告げを受けて、歴代の米大統領が解決できなかった米中貿易問題に取り組んでいる、とでも言いたかったのでしょうか。米メディアはトランプ大統領のこの発言を揶揄しました。

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しかし実際に、全米各地で行われるトランプ支持者の集会でヒアリング調査を実施すると、支持者たちは異口同音に「トランプは貿易問題で我々のために中国と戦っている」と熱っぽく語ります。トランプ大統領は支持者にとって、まさに「救世主」にも等しい存在であることは確かなようです。

一方、日米貿易交渉については、トランプ大統領は出発前に支持者に「米国は日本に小麦を輸出している。それに対して、日本は米国に車を輸出している。これは良い取引ではない」と語気を強めて語りました。

トランプ大統領にとって、農家と労働者は中核となる支持者です。中国との貿易戦争に関して、熱狂的な支持者から「救世主」としての期待を背負っているトランプ大統領ですが、同国からの報復関税もあって芳しい成果が得られていません。

そこで、今回のG7サミットでトランプ大統領は、日本から米国産農産物の関税率引き下げで合意を得て、米中西部の農家にアピールしたかったのでしょう。