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出版不況でも小学館の雑誌「幼稚園」がバカ売れするヒミツ

商品の「真の顧客」を考える
古田 拓也 プロフィール

実はあんなところにも「外縁」マーケティング

実は、「幼稚園」以外にも、本来のターゲットの近くにいる人々をメインに据えたブランドが現れ始めています。

 

たとえば、スクウェア・エニックス社が7月に立ち上げたドラクエベビー&キッズです。

「ドラクエベビー&キッズ」公式サイトより

人口減少社会において、どうしてこのタイミングでベビー・キッズブランドに勝機をみたのかを考えると、やはりドラゴンクエストシリーズとともに育ってきたプレイヤーが、子供や孫を持ち始めた時期と重なってきているからではないでしょうか。

ドラゴンクエストは、1986年に第1作目が誕生し、今年で33年をむかえました。

当時子どもだったユーザーは親となり、当時大人だったユーザーはお孫様ができる年代となり、今では2世代・3世代にわたってドラゴンクエストを楽しんでいただいています。

そんなユーザーの皆様に向けて「ドラクエベビー&キッズ」は誕生しました。
(「ドラクエベビー&キッズ」公式サイトより引用)

ベビー・キッズ用品といえば、親しみやすい動物や食べ物といった抽象的なイラストや、幼児向けアニメのキャラクターが通常起用されています。

その理由は、「このようなイラストやキャラクターを使うと幼児が喜びそうだ」という供給者の意図も少なからずあるでしょう。

しかし、ターゲットを幼児に絞って据えたとしたら、幼児が知らないドラゴンクエストシリーズの魔物たちをベビー・キッズブランドに起用するという発想自体が盲点になっていたはずです。

「ドラクエベビー&キッズ」は、ベビー・キッズ用品を幼児の外縁にいて、実際に商品を購入する判断を決める親をターゲットに据えたことで、ベビー・キッズ用品が必要なドラクエ世代の親に売るという戦略を立てたのではないでしょうか。

「幼稚園」や、「ドラクエベビー&キッズ」が示したように、今後はターゲットの外縁を見据えたマーケティング戦略の構築が重要視される時代になるでしょう。

ある商品やサービスから直接的に想像できる顧客像のみならず、その外縁にいる人々を分析し、具体的な戦略を立てることがこれからの成功に必要な要素となってくるのかもしれません。