残り3週間!「消費増税で日本沈没」を防ぐ仰天の経済政策がこれだ

「増税しない」が最善手ではあったが…
髙橋 洋一 プロフィール

「無制限に国債発行」の可能性

これらは通常時でも考え得る普通の政策であるが、マイナス金利環境をさらに生かそうと思えば、次のような仰天施策もある。

「金利がゼロになるまで無制限に国債を発行し、何も事業をしない」というだけでもいいのだ。

例えば、10年国債金利は▲0・3%程度だ。これは、100兆円発行すると、年間金利負担なしで、しかも103兆円の収入があることを意味する。マイナス金利というのは、毎年金利を払うのではなく「もらえる」わけで、0.3%の10年分の3兆円を発行者の国は「もらえる」のだ。

ここで、「100兆円を国庫に入れて使わず、3兆円だけ使う」とすればいい。もちろん、国債を発行すれば若干金利も高くなり、このような「錬金術」が永遠に続けられるわけではないが、少なくとも金利がゼロになるまで、国としてコストゼロ、リスクゼロで財源作りができる。

 

この施策が面白いのは、これまで財務省が国債を「悪いもの」として扱ってきたのと発想が真逆なことだ。

既にマイナス金利が顕在化していた今年2月、NHKニュースは財務省のポチらしく「国の借金1100兆円超」と報道し、「政府は新年度予算案で、国債を32兆6000億円余り、新たに発行することにしていて、財政健全化の道のりは険しさを増しています」と国債発行を戒めている(https://www.nhk.or.jp/politics/articles/lastweek/14051.html)。財務省の言うとおりに報じるNHKらしい。

もっとも財務省でも2016年頃までは、財政赤字の弊害として、クラウディングアウト(民間資金締め出し)論から金利上昇の可能性を主張していたが、さすがに現在ではそうした記述を落としている。

財務省がゼロ金利までの無制限国債発行を行うと、日銀が今やっている金融政策とも相乗効果が出てくる。

日銀は、イールドカーブコントロールといい、長期金利がゼロになるように国債買入を行っている。ただし最近の日銀の国債購入は、異次元緩和が始まった当初の年間80兆円ベースから、30兆円ベースまで落ち込んでいる。これは、市場の国債が品不足であるからだ。このため、金融緩和圧力は高くない。

ここで、財務省がゼロ金利まで国債無制限発行に乗り出せば、日銀の金融緩和効果はさらに高められる。しかも、得た財源で景気対策を行えば、まさに財政・金融一体政策となり、目先の消費増税ショックを回避できる可能性も出てくる。しかも、金利正常化で金融機関支援にもなる。

逆にいえば、こうした「美味しい」金利環境を財務省が見過ごし、金利ゼロまでの無制限国債発行を行わないとすれば、それは彼らが増税しか頭にない「無能官庁」であることの証明といえる。