残り3週間!「消費増税で日本沈没」を防ぐ仰天の経済政策がこれだ

「増税しない」が最善手ではあったが…
髙橋 洋一 プロフィール

なお余談であるが、日本の大学の財政学のテキストには、国債の減債基金の制度やその重要性が説明されている。ただ、海外では制度自体が存在しないということは言及されない。もし学生にその点を質問されたら、大学教員は説明に困るだろう。

財政学の教員はほぼ例外なく財務省のポチであるので、「減債基金は必要なのだ」と、国際的に非常識なことを教えているのではないかと筆者は思っている。

 

マイナス金利を逆手に取る

次に、利子及割引料。日本の債務残高は1000兆円といわれるが、利子及割引料はその0・8%に相当する。そもそも国債金利はそんなに高かったのか。過去に発行した国債の利払いも必要なので、過去10年間の10年国債金利を調べると、平均で0・5%。このことから考えると、せいぜい利子及割引料は5兆円程度あれば十分だ。

それなのに、なぜ9兆円弱も予算を積んでいるのか。それは、例年秋の臨時国会で補正予算が作られるときのための財源を、本予算に盛り込んでいるせいだ。こうすることで、当初の国債発行額も水ぶくれとなり、財政危機を煽る財務省にとっては一石二鳥なのである。

筆者が現役官僚の時は、査定すべき財務省(主計局)は要求する財務省(理財局)に対し、概算要求を水増しするように言ってきていた。同じ財務省内ならではの馴れ合い話だ。

せいぜい5兆円くらいしか利子及割引料は使われないので、3兆円程度減額しても問題ない。それが補正予算での財源になる。

さらに今年は、これらとはまったく違う財源がある。それは、異様なマイナス金利環境だ。

国債金利は期間ごとにあり、その変化をイールドカーブ(期間別の金利)というが、推移を見てみよう。

8月末時点で、1年▲0.268%、2年▲0.307%、3年▲0.326%、4年▲0.353%、5年▲0.362%、6年▲0.378%、7年▲0.385%、8年▲0.383%。 9年▲0.333%、10年▲0.275%、15年▲0.095、20年0.05。

8月末時点のイールドカーブを過去5年間とると、下図のようになる。

2015年以前、5年ごとで各期間の金利を平均したものを掲げている。1990年代前半、1990年代後半、2000年代前半、2000年代後半、2010年代前半のイールドカーブだ。

これらをみると、現在のマイナス金利が珍しい状態であることがわかる。