37歳から不妊治療をスタート

私の日本での不妊治療開始は2015年の5月に遡る。日本ではステップアップという考え方に基づき、タイミング法から治療を開始し、人工授精から体外受精・顕微授精へと治療が進んでいく。

体外受精以降は高度不妊治療と呼ばれる域であり、排卵誘発の方法・強度によって、完全自然周期法・低~中刺激法・高刺激法まで選択の幅がある。私の場合、37歳の年にタイミング法を数ヵ月試したが妊娠の兆候がなく、38歳を目前にした2015年10月に高度不妊治療にステップアップすることにした。

都内の不妊治療専門医院の中でも、低刺激法で評判が良かったこと、職場の割と近くであること、また、入籍していない事実婚カップルでも同意書があれば治療をしてもらえるという3つの理由で、S産婦人科を選んだ。

治療開始時は、「数ヵ月真面目に治療をすれば妊娠できる」と楽観的に構えていた。「37歳を境にした妊孕力の大幅な低下」「卵子の老化」などの知識はあったものの、現代の高度不妊治療技術をもってすれば何とかなるはずと、希望の方が圧倒的に大きかったのである。

この時は、その後の不妊治療が3年にも及ぶとは、また、卵子提供という選択をすることになるとは想像だにしていなかった。

大手自動車メーカーへ就職後、ハーバードビジネススクールでMBAを取得。米系戦略コンサルティングファーム勤務を経て、米系大手ヘルスケア企業へ転職と、キャリア形成に力を注いできた新垣さん。20代で妊孕力について考えることはないし、30代で「妊孕力の低下」についての多少の知識はあっても「自分は大丈夫なはず」と思っていた Photo by iStock