病院へ拉致され「不妊手術」をされた元ヤクザ・小島喜久夫さんの絶望

「当たり前でしょ。障害者なんだから」
佐藤 光展 プロフィール

「当たり前でしょ。障害者なんだから」

同部屋の患者に疑問をぶつけると「ここに入ったら病気じゃなくても病名をつけられる。何年も入院させられる」と教えてくれた。確かに、精神疾患には見えないヤクザ風や非行少年風の人たちが他にも入院していた。

別の患者はこうも言った。「この病院は子どもから大人まで、沢山の患者に子どもを作れなくする手術を行っている」。

にわかには信じがたく、宮野婦長に質問した。するとこう言われた。

「当たり前でしょ。精神分裂病だし、障害者なんだから。あんたみたいなのが子どもを作ったら世の中おかしくなる」

ショックのあまり我を忘れた。大声を出して暴れた。するとまた、注射を打たれて隔離部屋に閉じ込められた。懲罰電気ショックを何度もかけられた。

 

「今度抵抗したら殺される」

電気ショック後に死亡した患者の亡骸を目撃したり、脳の一部を切るロボトミー手術で廃人になった入院患者を目の当たりにしたりするうちに、無力感ばかりが募っていった。

そして、その日がやってきた。精神科病院に拉致、監禁されて約3ヵ月が経っていた。

朝、大部屋に顔を出した「立花」という名の女性看護師がためらいもなく言った。

「小島さんの番が来ましたよ」