イスラムとEUの「決定的な違い」
西洋史に慣れていると、当たり前のようだが、これは特別のことである。となりのイスラム世界の、ちょうど裏返しである。
そこでイスラム文明を、4行モデルで表してみると、こうなる。
イスラム文明
(1)まず自己主張する。
(2)相手も自己主張している。
(3)このままだと紛争になる。
(4)イスラム法があるので、大丈夫。
(1)まず自己主張する。
(2)相手も自己主張している。
(3)このままだと紛争になる。
(4)イスラム法があるので、大丈夫。
イスラム法は、コーランに書いてあって、世界にただひとつ。「人間は、自由に法律など作ってはならない」、がイスラム教徒の考え方だ。

よって、封建制ができない。国民国家もつくれない。人類はまるごとひとつが、イスラム共同体(ウンマ)だ、と考える。
EUなど作らなくても、はじめからできているのである。
イスラム世界にとっての問題は、ひとつであるはずのイスラム共同体が、なぜこうもばらばらなのか、である(その種明かしは、『4行でわかる世界の文明』でお読みください)。