NHK『だから私は推しました』が描く「地下アイドルのリアル」

『あまちゃん』もアイドル物語だった
碓井 広義 プロフィール

オリジナル脚本の魅力

脚本は森下佳子のオリジナル。昨年夏に放送された『義母と娘のブルース』(TBS系)同様、ヒロインの心理が丁寧に書き込まれている。また、地下アイドルについても十分な取材を行っていることがうかがえる。

加えてこのドラマには、「地下アイドル考証」として、本物の地下アイドルである「姫乃たま」の名前がクレジットされている。地下アイドルに関する著作もある姫乃が、その体験と知見でリアルを下支えしているはずだ。

 

女優陣も大健闘だ。徐々に自分を解放していくアラサーのドルオタ女子を、メリハリのある芝居で好演している桜井ユキ。そして、自分に自信の持てない、弱気な地下アイドルがぴったりの白石聖。2人の拮抗する熱演は特筆モノだ。

最終章に入り、それまで愛すべき地下アイドルだったはずの栗本ハナの「本当の顔」、その「本質」が見えてきた。また、警察の取調室(担当刑事はハライチの澤部佑)にいる遠藤愛の身に、本当は何が起こったのかも。

全8話のうち、残るは2話のみ。漫画や小説などの原作がない、オリジナル脚本のドラマだけに、最後までどんな展開になるのか、わからない。いや、だからこそ楽しみな「地下アイドルドラマ」なのだ。

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