「すごいの!理科の点数33点!」

バレーボール部に熱中している娘の話に戻しましょう。
この1学期の終わり。ぼくが風呂に入っていると、娘がバタバタと浴室の前までやってきました。「すごいの!ちょっと聞いて!」

シャンプーの泡を流しながら、「えーっ? 何なの?」と返すと、娘がもう本当にたまらないというようなはしゃいだ声で報告してくれました。
「定期考査の点数がすごくて!すごくない!? 33点!」

33という数字がすごいのか。低いのか、高いのか。平均点は60数点らしいので「ある意味、おまえすごいな!」とぼくは言いました。
 
冒頭でお知らせした保護者会は、この33点報告の後にありました。33点のくだりも、ぼくは保護者会で面白おかしく話しました。
 
「それで教室に来てみたら、自分の理科の自己評価点のところに4とつけられていました。わが娘はどれだけ自己肯定感が高いのか。これこそ私の娘だと思いました。これで中学校生活は何の心配もありません。安心しました
 
ここでは、親から笑顔がこぼれました。ただ、先生は苦笑いでしたね。
娘のテストの点数が33点なのに心配じゃないのかしら、もう、本当に森田さんのお父さんったら、と思われたことでしょう。
 
「風呂から上がって、娘に何か好きな教科あるの? と尋ねたら、英語! と答えました。じゃあ、いいか。好きな教科があるなら、ぼくは他のことは気にしません。英語が好きなら、そこを応援してあげようかなと。申し訳ないのですが、ぼくはほかのことには目をつぶります」

そう話しました。
それがぼくの教育方針です。あれもやれ、これもやれと周囲が言っても、何もものにならないし、深まりません。娘には興味のあることが、英語とバレーボールと二つもある。それでいいと思っています。

バレーボールにはまり、英語が好き。そこに「やらされている」ものはなにもない。自ら興味のあることをすることがパワーにもなるのだ Photo by iStock

(構成/島沢優子)

森田太郎さんの今までの連載はこちら