オシャレはもう死んでいる! 10月に迫る「アパレル危機」の正体

オシャレよりコミュケとビューティー
小島 健輔 プロフィール

第三は家計衣料品購入単価と販売単価の乖離

家計調査の衣料品購入単価は16年の1.1%減から17年は2.5%減、18年は2.9%減と三年連続して低下し、19年上半期も2.7%減と下落を続けている。

その一方、上場アパレルチェーン平均の客単価はほとんど横ばいで、家計の衣料品購入単価との乖離は18年で3.3ポイントまで広がり、19年上期も2.5ポイント開いている。消費税が増税されれば乖離は4.5ポイントに広がり、消費は一気に冷え込んでしまう

オシャレ意欲の冷え込み

たとえ所得や手取りが減って価格抵抗感が高まっても、ホントに欲しいと思えば無理しても買うはずだが、その根本的なオシャレ意欲が年々低下し、底が見えない状況だ

私は80年代から家計消費支出に占める被服履物支出の割合を食料品支出のエンゲル係数にたとえて「ファッション係数」と呼んでいるが、終戦直後の更生服時代はともかく実質ピークは日米繊維協定が発効して「ファッション化社会」が到来した73年の10.0%だった。

以降、DCブランド時代も落ち止まらず、バブル期までは7%台を維持したものの92年以降はデフレに飲み込まれて急落。01年には5%、15年以降は4%を割り込み、18年は3.75%、19年上半期は3.64%と底が見えない

 

その背景は92年以降の低価格化と過剰供給に加え、ユニクロがオシャレ不要な「生活パーツ」で衣料消費をコモディティ化する一方、使い捨てのファストファッションが蔓延し、近年は着たきりTPOレスな「アスレジャー」がカジュアルの主流となったことが指摘される。