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# 経済・ビジネス

ビッグデータが威力を発揮するのは、生身の人間がいればこそ

参院選予測は的中率96%だった
新社会人は、4月に「モットーとは」、5月に「新入社員 辞めたい」、6月に「恋活」と検索する。頭が痛い日本人が最も多い時間帯は、17時である。矢沢永吉と郷ひろみや双子レベルの「そっくりさん」……驚きの事実が明らかになった経緯を、本日から発売が開始された『ビッグデータ探偵団』(講談社現代新書)の著者・安宅和人氏が語る。

データの面白さとパワー

ビッグデータ、という単語を聞いたことのある人は多いかもしれない。しかし、これによっていったい何ができたり、どんなことがわかったりするのかを知らない人は、まだまだ多いのではないか?

 

これから私たちが『ビッグデータ探偵団』で示していくことは、ビッグデータが、これからのビジネスを考えるうえで、また、あなたの生活をより快適なものにするために、こんなにも役に立つのか、という驚きと発見である。

そもそも、私たちヤフービッグデータレポートチームの使命は、データの持つパワーや面白さを、一般の人々にも親しみやすく伝えること、そして、ネットのデータを活用することで、世の中の現象を読み解き、社会の様々な課題の解決に貢献することだからだ。

2012年頃だったか、ビッグデータという言葉が一般の人々に広まり始め、ビッグデータに関する多くの問い合わせが、日本最大級のデータを持つヤフーに寄せられた時期があった。

それらに対応するなかで私が痛感したのは、データの世界の言葉はあまりにも専門性が高く、ビッグデータとは何であるかを一般の方々に説明することが非常に難しいということだった。

ビッグデータとは何であるか、説明は難しい(photo by iStock)

ヤフーは、インターネットの黎明期、1996年からこれまで、日本の代表的なウェブサービスとしての地位を確立するに至った。現在でも、性別や年齢、居住地を問わず幅広い属性の人々に、毎日、何千万と利用していただいている。

これまでヤフーが展開してきたサービスは100種類以上にも及ぶが、それらの最大の特徴は、検索や地図、ニュース、ショッピングをはじめとして、いずれも私たちのリアルな日常生活と深く結びつくものであるということだ。

これらの多彩なサービスを通じて蓄積された膨大なデータ群――「マルチビッグデータ」を活用して、データの面白さとそのパワーを、わかりやすく伝えたい。そんな強い思いから、私たちの最初の一歩は始まった。

的中率96%だった参議院選挙予測

ビッグデータレポートの第1弾となったテーマが、選挙予測である。

私はかねてヤフーの持つビッグデータから様々な選挙結果の予測ができるのではないかと考えていたが、ちょうど先に述べた思いを抱いていた頃に行われた参議院選挙(2013年)の議席獲得数で、実際の検証に取り組んだ。すると、なんと的中率96%という驚異的な数値を叩き出してしまった!

この結果に勢いを得て、政治のあとはやはり経済だろう、と私たちが次に焦点を当てたのが、景気の把握である。一般に、景気を判断する際には政府の発表する景気動向指数が用いられるが、私たちは、選挙予測と同様に「Yahoo!検索」の検索データを使い、内閣府指数をモデル化した独自の「Yahoo! JAPAN景気指数」を、国の発表の数週間前に算出することに挑戦した。