日本はなぜ「異常気象が日常の国」になってしまったのか

「シビア・ウェザー」の時代を生き抜く術
週刊現代 プロフィール

大竜巻が迫ってくる

263名もの犠牲者を出した昨年7月の豪雨では、高知県馬路村で10日間に1852mmという降水量を記録した。これは同地域における7月平均降水量の、なんと3倍にも達する数字だった。

現在の「シビア・ウェザー」は、過去の経験則では測れない常識外れの災害を引き起こす。

前出の和田氏もこう語る。

「首都圏は水害対策が進んでいますが、それでも想定を超えたゲリラ豪雨や巨大台風の場合、対応が間に合わずにビルの地下等で被害が出る可能性は否定できません。実際、'99年に新宿区で浸水による溺死被害が発生しています。

一方、地方自治体では水害対策が進んでいないところも多い。危険度は、堤防や水利の工事がどれほど進んでいるかなどにも左右されます。

土砂災害は同じような場所で起きる傾向があり、近くに崩れやすい山や氾濫しやすい河川があるならば、空振りになったとしても早めに避難するよう心掛ける必要があります」

 

さらに、豪雨災害だけではない。すべてが「苛酷化」していくシビア・ウェザーでは、他にも注意をしなければいけない災害がある。そのひとつが「雷」だ。

雷に関する気象情報を専門に扱う、気象情報会社フランクリン・ジャパン所属の気象予報士・今村益子氏がこう語る。

「我々の観測では、最近になって雷雲の発達のスピードが非常に速くなっていると感じています。予測を超えた速さで気づく間もなく雲がどんどん発達して、突然、雷に襲われることもあり得る。

雷に直撃された場合、即座に心肺蘇生を施さなければ死亡率は90%を超えます。グラウンドやゴルフ場など周囲に何もないところにいる場合、雷の標的となり、非常に危険です。また樹木の傍も『側撃』といって、木に落ちた雷が人体へ飛び移る現象が起きやすい」

一方、車の中は電流が金属製の外側を流れるために比較的安全という。

「電線の下も、電線が避雷針代わりになるため避難場所になり得る」(今村氏)ことも、覚えておくといざという時、役に立つかもしれない。

荒れ狂う気象災害として、他に「竜巻」の脅威にも警戒しなければならない。地球物理学者の島村英紀氏が警告する。

「異常気象には地球温暖化が大きく影響していますが、亜熱帯となった日本では以前に比べて竜巻が起きやすくなっている。その発生数は今後ますます増加していく傾向にあり、9月から11月にかけて注意が必要です」