逃亡犯条例は撤回…香港デモ潜入で「負け戦」を見たかと思いきや

写真16枚が映し出す「現実」
西谷 格 プロフィール

しばらくするとデモ参加者はほぼいなくなり、周囲は警察、メディア、野次馬的な近隣住民や通行人ばかりになった。野次馬たちはシュプレヒコールを叫んだり、警察に向かって何か罵声を浴びせたりしている。広東語でよく分からなかったので漢字で書いてもらった。

「黒社会!(ヤクザ!)」

「黒警死全家!(ヤクザ警察は一家全員死ね!)」

「禍必及妻子!(妻と子供に悪いことが起きるぞ!)」

「黒警還眼!(ヤクザ警察よ、目ん玉返せ!)」

警察に罵声を浴びせる野次馬たち

この「目ん玉返せ」という言葉は、8月11日に起きたデモ隊と警察の衝突で、デモ隊の女性が片目を負傷したことに対する警察への反感である。

このほか、「あの時の宣誓(=香港警察が警察学校卒業時に行う宣誓の言葉)を忘れたのですか? 市民を守る責任感を持ち、恐れずひるまず、私情を挟まず、人を傷つけない。市民を敵視しない」との文章を掲げている人も。市民の多くは、警察の強硬姿勢に対し、少なからず反感を抱いているようだった。

 

“勇武派”と呼ばれる者たち

翌日1日、13時過ぎに空港へ向かうエアポートエキスプレスに乗ると、香港駅から一駅過ぎたところで荷物を持って降りるようアナウンスが流れた。列車が止まってしまい、タクシーで空港へ向かう。

空港へ到着すると、入り口で入場規制を行っており、飛行機のチケットを持っている人しかなかに入れない。とりあえず香港→上海のチケットを8000円ほどで購入してなかに入ってみると、空港内の出入り口がほぼ封鎖されており、厳戒態勢。

空港内の出入口はほぼ封鎖されていた