球数制限よりストライクゾーン拡大はどうか?

高校野球投手を守るには

球数制限いかがなものか

高校野球の変貌に、寂しい気がした夏だった。

甲子園へあと1勝の地方予選決勝戦で先発できなかった超高校級の投手。彼の故障リスクを考慮した監督の采配を賞賛する有名無名の声。WBCのように球数制限を導入しようという流れ、、、、、、。

かつての高校野球には当たり前だった、1人のピッチャーが連投して緊迫した投手戦で勝ち上がっていく姿に感動する場面にはもう出会えなくなりそうだ。

時代が変わったと言われればそれまでで、頭ではわかっていても、高校野球の魅力が減りそうでやはり残念に思えてしまう。

投手の球数制限以外にも、地区大会から甲子園までの日程を見直すとか、投げ過ぎによる投手の故障防止案が出ているが、投手を故障から守りつつ、昔の高校野球の良さを維持できそうな案はほかにもあるのではないか。

投げ込みで肩を作り、マメを固める?

最初に断っておくと私はかなり古い野球記者だ。記者生活は51年を超えた。

法政大学野球部時代の同期は田淵幸一、山本浩二。田淵とは、法政一高時代から、今だったらすぐ大問題になりそうなスパルタ式の練習にも体罰にも耐えてきた。

ただ甲子園に行きたかったからだ(都の予選はBEST8で負けた)。田淵を通じて明治大学の故・星野仙一とも仲良くなり、彼からの情報提供を含む交流はスポーツ新聞記者時代、フリーの野球記者時代と、彼が亡くなる直前まで続いた。

「ヨシミ、エースというのは先発したら、最後まで誰にもマウンドを譲らん、という気持ちがないとダメや! そのためにキャンプでは必ず1日何百球も投げ込む日を作り、肩を作っていく。つぶれたマメを固めていく。投手の分業制は必要かもわからんが、そういう気持ちを持っている投手しかプロでは使えんよ」

星野自身がそうだったし、監督としてもそういう投手を好んできた。いい投手と見たら起用し続けて、投手を潰したことを非難されたこともあったが、私は星野の投手に経験を積ませるやり方が嫌いではなかった。

もし彼が生きていてどこかの球団のGMをやっていたら、岩手県県予選決勝で登板しなかった大船渡の佐々木朗希くんよりは、星稜の奥川恭伸くんをドラフト指名しただろうと想像する。

いわゆる高校BIG4の中で星野の一番の好みは同じ岡山県出身でU18ワールドカップでも気持ちのこもった投球を見せている創志学園の西純矢くんだとは思うが。

だから、張本勲さんが言った「決勝で投げて故障するようでは、結局将来活躍できない」といった内容の意見、ダルビッシュ有投手に酷評された意見に、どちらかというと私も近い。

もちろん大船渡の若い監督が、佐々木くんが将来メジャーで活躍しそうな投手に育ったことで、絶対故障させられない、との判断を甲子園出場より優先したのもいろいろ事情があったのだろう、理解できる。