【Horse Ride】
心と心で会話する
ホーストレッキング

MUSKOKA

馬に乗って山や森を歩くホーストレッキングは、相棒の馬との息さえ合えば初心者でも引き綱なしで楽しめる。自然の美しさはもちろん、馬と人間の間に生まれる言葉なきコミュニケーションを体感できるのが魅力。
湖畔のロッジで迎えた朝。刻々と変わる空の色、湖の色は、知っている色の名では表現できなかった。
宿泊したバートレット・ロッジは、渡し舟で湖を突っ切った先にある隠れ家。夜は4コースのディナー。シックで大人な空間。

翌朝5時。ロッジに差し込む朱色の光で目が覚めた。ちょうど湖の向こうから朝日が昇るところだった。濃紺の湖面に太陽の朱色が徐々に滲んで、いっときとして同じ色がない。

ベッドカバーにはムースやブラックベアなど、この森に暮らす動物たちの姿が。ひと組一棟のコテージタイプで、森の中に暮らしているような感覚に。

東京でモデルや女優として活動しているうららさん。普段はインドア派ということで、人生初のカヌーに少し疲れたのだろう。昨夜は夕食時から口数が減ったのを感じて、「大丈夫です」という彼女を無理やり寝室に押し込んだのだった。

朝食は各種卵料理から好みをセレクト。朝の森の光が気持ちいい。
ホリー師匠の指南でフライフィッシングにチャレンジ。見事、地球(湖底の丸太)を釣り上げた!

公園から車で西へ2時間ほど。マスコーカは美しい森林地帯で、2日目はうららさんがこの旅で一番楽しみにしていたホーストレッキングをする。ただの観光乗馬でなく、馬に乗って山の中を歩くのだ。

「よろしくね」と、自分が乗る馬のグレイディに挨拶するうららさん。森を歩き始めてしばらくは道草ばかり食うグレイディに手を焼いていたけれど、15分ほど経つと後ろから見ていても息が合ってきていることがわかった。

「馬の背中に乗ると想像以上に高くて、最初は怖かったんです。でもホリーさんから、馬を信じて堂々としていなさいと言われて、怖くない! って気持ちを落ち着かせたら自然とグレイディが指示通り動いてくれるようになって。馬は人間の心を読むというか、全部伝わっていたんだなって。虚勢なんて通じないんですね、動物とか自然には」

徐々に相棒の馬(グレイディ)との息が合ってきたうららさん。後半はカメラに笑顔を向ける余裕も。

別れ際、うららさんが名残惜しそうにグレイディの鼻筋に触れると、馬は気持ちよさそうに目を閉じて、彼女の顔に自分の頰をすり寄せた。

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PROFILE

安竜うらら Urara Aryu
女優、モデル。福島県いわき市生まれ。テレビ、映画、舞台などで活躍する傍ら、ラジオパーソナリティとしても活動。TOKYO FM「シンクロのシティ」レギュラー出演を8年務める。10月25日公開の松尾スズキ監督作品『108~海馬五郎の復讐と冒険~』に出演。

●情報は、FRaU2019年10月号発売時点のものです。
※記事内の通貨表記(CAD)は、1CAD=約79.47円(2019年8月15日現在)です。
※紹介している店や施設の営業時間、定休日、価格などは取材時から変更している可能性があります。

Photographer:Kasane Nogawa Text & Edit:Yuriko Kobayashi Model:Urara Aryu Coordination:Sumi Sato Cooperation:Ontario Outdoor Adventures