子どもに広い世界を見せることは「残酷」か? 沖縄の教育現場のリアル

学生から選択肢が奪われる理由
佐藤 智 プロフィール

本当に必要な力とは?

私が考える教育の役割は、さまざまな選択肢を提示し、自分で納得して選択する力をつけることだ。

さらに、その選択肢に耐えうる力をつけ、選択を正解にする思考を養うことでもある。

 

地元に残るのも、広い世界に飛び出すのも、同じような選択肢として並べられた上で、自身で選び取れるとよいだろうと思う。

教育現場には、この子ならば荒波を生き抜いていけると、目の前の子どもを信じる眼差しが求められている。

選んだ道が失敗に終わったとしても、自分が納得できるまで挑戦し、立ち直り、また別の道を歩んでいける。

子どもたちをそんなふうに支えてあげることが大切なのではないだろうか。

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冒頭で高校教師の話をしてくれた記者の友人は、大学から県外に出た。都心部の大学で様々な刺激を受けた上で、沖縄に戻る。

外の世界に出たことで、少し客観的に生まれ育った土地を見ることができるようになり、その良さや悪さを再認識して、今は沖縄のために何ができるかを考えている。

例えば、県外では沖縄についてあまりに観光に寄った情報しか流れていないと感じ、沖縄の歴史・暮らしなどをリアルに知ってもらえる発信を続けている。

自身の足元の問題についても、考えるようになったという。沖縄では家庭行事の際に、女性がせっせっと立働くという。

共働きが増えた今でも、この状況が続いていることに対して、 外に出たからこそ“おかしい”と気づくことができた。

そして、家族に「一緒に買い出しをしましょう、一緒に皿を洗いましょう」と伝えて、それを実現しているという。

県の内と外の振れ幅を知ったことで、自身の価値観を浮き彫りにすることができたといえる。