2019.09.18
# アパレル

ユニクロ、無印良品、ニトリ…繁盛店はなぜ「価格帯が狭い」のか?

財布の紐をゆるませる秘密
小川 孔輔 プロフィール

しまむらのコスト削減策とは

ただし、同様にプライスライン(価格帯)を絞った衣料品の量販店でも、ハニーズやしまむらといった企業はデザインが多種多様です。デザインが多様で、商品アイテムの数が増えればコストがかかるはずです。ところが、両社の商品は価格が安く業績も好調です。

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両社は、コストをどのように抑えているのでしょうか?

ハニーズとしまむらでは、そのやり方が違っています。

ハニーズは、過去のデザインパターンをデータベースにして、シーズンごとに流行を取り入れて微調整しています。

専門のデザイナーではなく、オペレーター=マーケター(社員の中から選ばれた担当者)が街頭観察(渋谷や原宿)によりキャッチしたトレンドをもとにデザインすることで、商品開発のコストを下げているというわけです。

 

一方のしまむらは、SPA(製造小売業)ではありませんから、商品開発や製造過程に直接は関与することができません。

したがって、開発と調達でコストダウンの工夫ができませんので、売れ行きの悪い商品を別の店舗に「転送」(同社内では、「移送」と呼ぶようです)することで、売れ残りを減らすしくみを確立しています。

同社の在庫ロス率は、なんと0.58%。200着仕入れてわずか1着しか廃棄が出ない計算になります。なお、しまむらが安価に商品を転送できるのは、全国各地に自社物流センターを持っているからです。しかも、各物流センターは自動化が進んでいて、1カ所のセンターがわずか4人で運営されています。

こうした自社物流の場合、配送コストは低くなります。通常の宅配便だと段ボール1箱の全国配送が800円かかるのに対して、社内の転送便だと段ボール1箱が60円で運べるそうです。いずれにしても、徹底したムダの排除が、値ごろ感のある価格実現のカギといえます。

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