# 新幹線

どこかセコいよJR新幹線…「特大荷物」持ち込み対策への違和感

座席の現状維持に固執しすぎでは?
野田 隆 プロフィール

確かに、特大荷物の基準に該当しないスーツケースは、荷棚に置けることは事実だ。しかし、たとえば3人連れの客が1人1個スーツケースを持ちこんだ場合、3つを並べて置けるスペースはない。やむを得ず、前後の座席の棚にはみ出して置くこともある。その場合、後から乗ってきた人が自分の座席上方の荷棚を利用できないこともある。

また、3人席の通路席の利用者が荷棚を利用しようとすれば、B席、A席の人を煩わせて荷物を上げなくてはならない。それが面倒で、重いスーツケースを持っている女性など(外国人だけではなく日本人も)棚に上げるのをためらって通路などに置いている状況もよく見かける。これは、本人だけではなく、通路を歩く人や車内販売の妨げにもなる。

JR日光線「いろは」の荷物置き場

荷物を持ちあげなくても気軽に利用できる荷物置き場を設置することは、乗客に対する優しさなのではないだろうか。

それなのに、東北新幹線や北陸新幹線の様に、座席を減らしてでも荷物置き場を新設しようとする考えをJR東海らはまったく持っていないようにも思われる。座席を少なくすれば減収となるので、席数は現状維持でいきたい。そんな意図を筆者は感じざるをえない。

従来の座席配置は、乗客のほとんどが日本人で、荷物が多くないビジネスパーソンを念頭に置いていたのであろうが、時代は確実に変わりつつある。まもなくデビューする新型車両N700Sも、座席の配置は従来のままだ。8年後にはリニアも開業予定で、東海道新幹線の利用状況も大きく変わるであろう。

 

在来線ではあるが、訪日外国人の利用が多いJR日光線の電車には、観光列車的要素を組み入れるとともに荷物置き場を充実させた「いろは」という改造車両も登場している。東海道新幹線も、そろそろ荷物置き場を充実させるなど抜本的な改革をする時期なのではないだろうか。