Photo by gettyimages

韓国・文在寅政権の「軌道修正」に、日本が乗ってはいけない理由

生き残るための「豹変」の前例

初めての「強硬路線の修正」

反日で突っ走る韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が、日本にすり寄ってきた。日本の輸出管理強化と韓国の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄をセットで見直す案を出してきたのだ。もちろん、日本がこれに応じる必要はない。

文政権は、よほど動揺しているようだ。訪韓した河村建夫・元官房長官(日韓議員連盟幹事長)に対して、李洛淵(イ・ナギョン)首相は「輸出管理強化とGSOMIA破棄をセットで解決したい」という考えを示した。

日本が韓国に対する輸出管理を元の仕組みに戻せば、韓国も日本とのGSOMIA破棄を見直す、という提案である。中身はともかく、これまでの強硬路線を修正するような発言が文政権の首脳から出たのは、初めてである。

 

これに対して、安倍晋三首相は9月3日、根本にある「いわゆる元徴用工問題」の解決が最優先として、応じない考えを示した。

日本が輸出管理を強化したのは、韓国の不適切な管理が理由で、安全保障上の懸念があるためだ。韓国側の発表でも、4年間に156件もの不適切事例が見つかっている(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66554)。一方、GSOMIAは北朝鮮の脅威を念頭にした防衛協力の枠組みである。

この2つの問題は直接、関係がない。ただ、親北容共の文政権とすれば、ともに「北朝鮮を敵視するのは許せない」という話になるのだろう。日本から見れば、どちらも「文政権は信頼できない」という話にほかならない。

したがって、安倍首相が文政権に対して「まずは徴用工問題を解決してくれ」と求めたのは、当然である。徴用工に関する韓国の最高裁判決は、1965年の日韓請求権協定を無視している。韓国が国と国の約束を守らない現状では、信頼関係の根幹が崩れており、何を議論したところで、まともな話はできないからだ。

そうだとしても、今回の提案は文政権が現状打開を模索し始めた兆候かもしれない。いくら反日運動を盛り上げても、韓国経済への打撃が和らぐわけではない。GSOMIA破棄は、米国のトランプ政権を本気で怒らせてしまった。このままでは国が立ち行かない、とみたのではないか。

そこで、なんとか面子を保ちながら、日本との関係を修復して、米国の怒りもなだめたい。そんな思惑がにじみ出ている。文政権の「軌道修正」をどう見るか。ここでは、細かい現状分析をひとまず措いて、歴史的な観点から評価してみよう。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら