私は、カオナシになった

櫻井翔さんは、コンサートのリハーサルなどで至極多忙だったのに、自主勉強したノートを持ってきてくださったんです。ご自身で調べたのか、赤いペンで書き込みがビッシリで。

なんかもう、圧倒されてしまったんです。真っ先に浮かんだ感想は「櫻井翔さん、文字書くんだ」でした。

「知的障害のある方って、運転免許を取得される時、どうなさってるんですか? 聴覚障害のある方が運転しているマークは見たことあります!」と、試験範囲外のことまで想像して、質問してくれました。

回答はわかっていたんです。でも、嵐という日本を代表するアイドルグループにいながら、こんなにも勉強する人が存在する世界って、一体どういうバグなのかな、と。そんなことを思っていたら私は、「アッ……アッ……アッ……」しか言えないカオナシと化しました(後でちゃんと、しっかり答えました)。

イケメンの許容量を超え、副作用が…

30分間の試験監督を、私が務めることになりました。正直、収録が無事に終わるのかだけが気がかりで、頭がいっぱいだったんです。

でも、目の前で粛々と問題を解いている櫻井翔さんを眺めていて、15分くらい経った頃でしょうか。唐突に、押し寄せてきました。非現実的な現実が。

こんな状況、ありえます?

私、座っていただけで、何もしていないんですけど、なぜか急に足がつりました。激痛。すごい。人は許容量を越えたイケメンを見ると、足がつるようです。イケメンの副作用。耐えれていないんです、私の関節と筋肉が。イケメンに全然、耐えられていない。

〔PHOTO〕iStock

私が勝手に負傷しながらも、無事に収録は終わりました。放送された番組では、100点満点の合格通知を受け取り、喜ぶ櫻井翔さんが映っていました。100点ですよ。なんのズルも無しの、本気の100点です。当時の試験だと、100点は50人に1人いるかどうかです。

先日、櫻井翔さんが目の見えないパラリンピック選手を完璧にサポートしているのをテレビで見て、この時のことを思い出して思わず涙が出ました。