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NHKが世界初の「演歌フェス」を開催…気になる人選事情は?

そもそもなんで演歌?

演歌の祭典が始まる…

演歌界が熱いようだ。演歌を好みがちな高齢者人口は膨張の一途だし、10代、20代の新鋭演歌歌手の出現により、若い演歌ファンも増えているかららしい。

そんな現状を背にして、NHKは9月9日に世界初の演歌フェス『演歌フェス2019』を開催する。その模様はNHK-BS4Kで午後4時半から同10時まで5時間半にわたって生放送される。会場は「演歌の殿堂」とも呼ばれるNHKホール。当日は演歌界を代表するベテランから新鋭まで39組の演歌歌手が一堂に会する。

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ロックフェスは数々あるが、演歌のフェスは存在しなかった。というわけで、NHKが動いた。NHKは『うたコン』(火曜午後7時57分)や大晦日の『紅白歌合戦』などで演歌歌手を重用するなど、ずっと演歌を大事にしてきたのだ。演歌は日本固有の文化だから、「世界初」はややオーバーな気がするものの、これほど大規模な演歌の祭典が過去になかったのは確かである。

とはいえ、若い人の中には「聴く人は主に中高年と高齢者の演歌なんかに受信料を使うな」と、憤然とする向きもあるかもしれない。だが、購買意欲の低い高齢者を重視しない民放地上波は演歌を敬遠しがち。演歌番組のシンボルだった『演歌の花道』(テレビ東京)は2000年に終わった。『ミュージックステーション』(テレビ朝日)は演歌を扱わないという基本方針がある。その上、NHKまで演歌を軽んじたら、演歌文化が廃れてしまいかねない。そうなると、今の若者が中高年、高齢者になった時、淋しがることになるらしい。

 

どういうことか? 元テイチクエンタテインメント取締役の高橋隆氏が解説する。森進一(71)の『襟裳岬』や荻野目洋子(50)の『ダンシング・ヒーロー』などを手掛けた往年の敏腕ディレクターである。

「演歌の曲調はマイナー系が多い。哀愁あるメロディーです。これを日本人は本能的に好みます。特に中高年以上の人はそう。演歌に限らず、1980年代までの音楽は全般的にマイナー系のメロディーが少なくありませんでした。しかし、最近の若者に向けた歌はマイナー系が少ない。けれど、若い人も年を重ねると、マイナー系のメロディーを聴きたくなるはずです。また、人生を振り返りたい年代になると、マイナー系のメロディーにしみじみとした詞が合わせられた演歌を聴きたくなるものなのです」