小泉進次郎は「父ではない」…できちゃった婚の「意外なリスク」

小泉親子孫三代も直面する明治民法の壁
井戸 まさえ プロフィール

できちゃった婚のリスク

もっとも、こうした「できちゃった婚」「授かり婚」に対しては第二次世界大戦前の昭和15年の民事局長通達で200日経っていなくとも婚姻した夫の名を記したことを「認知準正」として、瞬時に「非嫡出子」→「嫡出子」とトランスフォームする戸籍実務上の措置が取られている。

明治民法制定時から戦前は慣習として「祝言」をあげたら世間に夫婦として認識され、役所に届け出を出すことはそれほど重要視されていなかったという背景もある。

ただ繰り返しになるが、民法に照らせば婚姻後200日以内に生まれた場合は父欄に夫の名前を書くことができず「非嫡出子」となると子どもが差別の対象となるという事情もあり、「婚姻後200日以内」に生まれた子どもでも親が婚姻している場合はそれに先んじて内縁関係が生じていたと解され、法的手続きを踏まなくとも、出生届の父欄に夫の名前を記入すれば「嫡出子」として届け出が可能となったのだ。

 

「誰が父か」は子にとって、また親にも最も重要な話だが、その変更が法改正でなく、「民事局長」が出したペラ一枚の通達によって変わる適当さは、面倒臭い議論は先送りしようという「法治(放置?)国家」日本らしいとも言える。

ただ、認知準正は必ずしもしなくても良い。「婚姻後200日」経たないで出生した子の出生届の父欄を「空欄」で出す選択肢は母には残っている。クリステルさんもそのような選択をしようと思えばできる。

実際、事実上の父親と婚姻した父が違う場合はあるわけで、そうした場合は事実上の父が子を認知し、夫婦の戸籍に別の男性の名前が戸籍に入ってくることもあるのだ。

出産までに何かあった場合は、子どもの戸籍作成に一手間かかる。婚姻後200日以降に生まれた嫡出子とは違い、死後認知を3年以内に申請しないと父は確定しない。「できちゃった婚」のリスクとも言えよう。