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ノムさんの「再生手腕」から学ぶ、「現役ドラフト」制度導入の課題

くすぶっている選手を救うには…

選手“飼い殺し”の解消

シーズン中ゆえ、メディアの扱いは小さなものでしたが、日本野球機構(NPB)と労組・日本プロ野球選手会は8月26日、都内で事務折衝を行い、炭谷銀仁朗選手会長は「20年シーズンから行いたい」と希望を口にしました。

選手会が機構側に求めているのは、出場機会の少ない現役選手を対象にした「ドラフト会議」です。これには機構側も前向きで、スポニチ紙(8月27日付)には、窓口を務める阪神・谷本修球団本部長の「引き続き相互で検討する。協議がまとまればそうしたいと思っている」とのコメントが紹介されていました。

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新制度の中身については、まだ明らかになっていませんが、選手会側は18歳以下での入団なら在籍5年以上、19歳以上での入団なら在籍4年以上の選手を対象に米国で運用されている「ルール5ドラフト」をモデルに設計しようと考えているようです。

この新制度は、いわゆる“飼い殺し”にされている選手のみならず、低コストでチームの強化を図れる球団にとってもメリットがあります。球界活性化のためにも1年でも早い導入が望まれます。

さて、新制度が導入されたとして、問われるのは、くすぶっている選手に対し、伸びるか伸びないかを見極めるフロントの眼力、そして現場の育成能力です。

 

私が知る限りにおいて、選手再生の名人といえば、この人の右に出る者はいません。南海とヤクルトで5度のリーグ優勝と3度の日本一を誇る野村克也元監督です。親しみを込めてノムさんと呼ばせてもらいます。

ノムさんの再生手腕を語る上で、抜きにすることができないのが、巨人、南海、阪神で通算143勝(142敗)をあげた山内新一さんです。巨人時代は1970年の8勝が最高の、凡庸なピッチャーでした。