若者の「韓国ファッション」ブームが長続きしないと考えられる理由

メディアは大々的に宣伝するが…
南 充浩 プロフィール

ファッション専門学校の講師をしている知人によると、専門学校の説明会に来る子の中には韓国ファッションファンがいるが、その子たちは「ファッション初心者」である場合が多いという。そしてその知人によると、入学時に韓国ファッション好きでも学年が進み知識が増えるごとに韓国ファッションを卒業し、興味は国内デザイナーズブランドや欧米モードブランドなどに移行していくという。

 

ファッションに興味を持ち始めたときに、一番目に付きやすいのが2019年はK-POPなのだと考えられる。そして、その時代によって対象は変わってきた。

大学生になると多くの人は交友関係が広がるが、中高生の時代はクラスや部活の交友関係がほぼすべてである。そして自分の属しているグループの嗜好に大きく左右される。韓流好きのグループに属していれば韓国ファッションに興味を持つだろうし、そうではないグループに属しているなら韓国ファッションには興味を持たない。そんなものである。

一過性のブームに過ぎない

ビジネス面で考えると、正確な統計は存在していないが、韓国ファッションブーム全体の売り上げ規模はそれほど大きくはなさそうだ。原宿に旗艦店を出した韓国の大手ファッションブランド「スタイルナンダ」の売上高はブランド全体で150億円程度。スタイルナンダはコスメのほうが人気なので衣料品だけだと100億もない。

原宿にある韓国ブランド「スタイルナンダ」旗艦店/Photo by gettyimages

また、私の知人に、日本に進出したうちの複数の韓国ファッションブランドのインターネット通販を手掛けている若者がいるが、その人は「個々のブランドの売上高は数億円レベルで、大きくても10数億円くらい。日本で展開されている韓国ブランドすべての売上高を合わせてもユニクロやジーユーの足元にも及ばないと思いますよ」と指摘している。

ときどき、メディアで「ファストファッションは終わった」と伝えられ始めたが、日本国内だけでもH&Mが500億円台、ZARAだと650億円前後の売り上げがある。ジーユーは海外店舗も含めた数字だが2000億円を超えている。この3ブランドだけでも3000数百億円の売上高があり、依然としてマス層の支持を得ている。