若者の「韓国ファッション」ブームが長続きしないと考えられる理由

メディアは大々的に宣伝するが…
南 充浩 プロフィール

その一方で「ビジネス面」はたいしたことがないが、「ブーム」としては名高い場合もある。90年代後半の裏原宿ブランド群はそういう「ブーム」だったといえる。

2000年頃、売上高150億円くらいのメーカーが、裏原宿ブランドとコラボをしたことがあるが、その件について尋ねたところ「あのブランドの売上高は5億円くらいですから、うちとしてはまったく売上高を増やせるとは期待していません。ほんの一部の実験程度です」との答えが返ってきた。そういうものである。

 

韓国ブランドを好むのは“ファッション初心者”

では、なぜK-POPがこれほどまで日本に浸透しているのか。K-POPに限らず、もともと韓国の企業は海外への進出が得意だと言われている。

その根底にあるのは決して大きいとはいえない韓国国内市場の規模。韓国の人口は約5000万人で、GDPは日本の3分の1もない。音楽も同様で、韓国の音楽市場は14億400万ドルほどと推計されており、日本の6分の1程度しかない。この規模だと国内セールスだけではビジネスとして成り立たないといわれている。

そのために韓国企業が成長を遂げるには海外進出が必要であり、政府も後押しをした結果、海外進出のノウハウが蓄積されていったと言える。韓国企業は世界中に進出しているが、距離的にも近い日本では特にこれが顕著なのだ。

個人的には今回の韓国ファッションがビジネス規模はさほどではないブームだと映る。理由は普段接触しているアパレル企業や製造加工業者からはほとんど韓国ブランドが話題に上らないからだ。

彼らは同業他社の売れ行き情報に詳しく、そして過度の噂好きである。売り上げ規模や販売枚数が大きいブランドなら確実に噂となる。それがまったくないということはビジネス面では彼らにとってほとんど興味の対象とはならないからだ。

メディアや一部のインフルエンサーは注目をしているが、実際のところ、10代が全員韓国ファッション好きではない。私には高校生の娘が1人いるが、韓国ファッションにはまったく興味を示さない。またどんなに韓国好きでも30代、40代、50代の日本人女性は韓国ファッションを購買着用していない。