半グレも警告するが…日本社会から「覚せい剤」がなくならない理由

社会的孤立はより深刻な問題だ
廣末 登 プロフィール

摘発量が半端ない量になった

とにかく、最近は、摘発される覚せい剤の量が半端ない。

2018年6月5日の時事記事をみると、静岡県南伊豆町の港に寄港した小型船から覚せい剤約1トンが見つかり、警視庁などが覚せい剤取締法違反(営利目的共同所持)容疑で、船の乗組員ら中国籍の男7人を逮捕していたことが5日、同庁などへの取材で分かった。国内で一度に押収された覚せい剤の量としては過去最多で、末端価格は約600億円に上るという。

次に、茨城県沖の事件をみると、2017年8月、海上で受け渡しをする「瀬取り」と呼ばれる方法を使い、茨城県沖で約475キロ(末端価格307億円相当)の覚醒剤が密輸された事件を巡り、香港の警察が主犯格とみられる指定暴力団住吉会系の組関係者、海老沢浩容疑者(58)=覚せい剤取締法違反容疑で逮捕状=を拘束したことが8日、捜査関係者への取材で分かった。

この事件では、茨城県警や警視庁などの合同捜査本部が同法違反などの疑いで暴力団幹部ら約20人を逮捕。海老沢容疑者が密輸を指示したとみて、国際手配して行方を追っていた。背景には国際的な密輸組織があるとみられている(静岡新聞 2018年11月9日)。

小さな検挙をいちいち挙げたらキリがないが、覚せい剤の取引が後を絶たないのは、日本ではハイリスクでありながらも、ハイリターンであるからだろう。

 

東スポの取材で、暴力団関係者が次のように語り、覚せい剤のシノギの蔓延理由、すなわち、ハイリスク=ハイリターン説を裏書きする。

「日本は覚醒剤の末端価格が世界最高の上、常用者以外に、最近では住宅街の主婦や公務員の逮捕者が多く出ているように新たな需要もどんどん開拓されている。日本では暴力団が管理し、出回る量をコントロールしているので、値崩れせず、高値を維持している」と(東スポWeb 2019年8月25日)。

覚せい剤にまつわる最近の事件で印象的だったのは、次の記事である。

覚醒剤を密売したとして、京都府警と滋賀県警の合同捜査本部は19日、70~80代の男女3人を覚せい剤取締法違反容疑(営利目的譲渡)で逮捕したと発表した。

3人は覚醒剤を通じた長年の知り合いで、スクーターで顧客に覚醒剤を届けるなどしていたという。昨年8月、府警に密売情報が寄せられ捜査を開始。今年7月に服部容疑者宅を捜索したところ、覚醒剤計約11グラム(末端価格66万円相当)を発見し、服部容疑者らを覚醒剤の共同所持で現行犯逮捕していた。京都や滋賀などに複数の顧客がいるとみられ、一連の事件で計16人が摘発された。
 
捜査幹部は「犯罪に関わる者も高齢化していることを象徴するような事件」と話している(産経WEST 2019年8月19日)。