半グレも警告するが…日本社会から「覚せい剤」がなくならない理由

社会的孤立はより深刻な問題だ
廣末 登 プロフィール

覚せい剤の外国人密輸入事犯は約70%

警察庁組織犯罪対策部 組織犯罪対策企画課が発表した「平成29年における組織犯罪の情勢」を見ると、外国人による覚醒剤事犯の営利犯の検挙人員は152人と、全営利犯検挙人員(586人)の25.9%を占めており、このうち密輸入事犯は103人(構成比率67.8%)となっている。

国籍・地域別でみると、タイ及びイランが17人と最も多く、このうち、タイは密輸入事犯が16人、密売関連事犯が1人となっており、イランは密売関連事犯が15人、密輸入事犯が2人、韓国・朝鮮が15人で、全て密売関連事犯、香港が13人で、全て密輸入事犯、台湾が12人で、密輸入事犯が11人、密売関連事犯が1人となっており、以下、ドイツが8人、中国が7人、アメリカが7人、マレーシアが6人、メキシコが6人となっており、密輸入事犯は、南方のタイ、台湾、中国が最も多くなっている。

現在は、国際的な政治的事情と当局の取り締まり強化を受け、北朝鮮やロシアンルートが機能しなくなったため、南方からのルートが主な供給源だと言われている。

 

ちなみに、平成30年、東京税関が摘発した覚せい剤事件の押収量は、およそ493kg(88件)にのぼり、昭和60年の統計開始以来最多となったそうである。

一方、全国の情勢をみると、覚醒剤密輸入事犯の検挙件数は増加し、平成26年以降3年ぶりに100件を超え、いわゆる運び屋による密輸入事犯の検挙が相次いだため、前年比で大幅に増加した。

押収量は前年比で減少したものの、洋上取引や船舶コンテナ貨物の利用による大量密輸入事犯の検挙に伴い、前年に引き続き1,000kgを超えたと、警察庁の報告にある(警察庁組織犯罪対策部組織犯罪対策課「平成29年における組織犯罪の情勢」)。