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水1000立方cmと1kgが「ほぼ同じ」理由、知ってますか?

単位の歴史を数学的にざっくり振り返る
今回の〈雑学数学〉のテーマは「長さの単位と重さの単位の関係性」。そんなウンチク知ってるよ、というあなたも、「一番“長い”単位は? “軽い”単位は?」などと訊かれたら即答できないのでは? 大丈夫、数学のお兄さんが分かりやすく教えてくれます。

知っていましたか?

「1辺10cmの立方体に水を満タンに入れたとき、その水の量は1リットルとなり、重さはほぼ1キログラムになる」

これを聞いて「へえ、知らなかった」「え、当たり前じゃん」とどちらの反応をしましたか?

長さの単位と重さの単位、そして量の単位はこのように繋がりがあります。

この話、決して偶然ではなく、明確な背景があります。ふだん何気なく使っている「単位」は、掘り下げてみると大変興味深い話がたくさんあるのです。

今回は、その「単位」の数学雑学を2種類、お伝えします。

【雑学19】あの単位とあの単位の意外な関係性

まず1つ目は、冒頭で触れた話について紹介しましょう。単位についてはじめてちゃんと習うのは小学校の算数で、習う単位は

長さ m、cm、km、など
時間 日、時、分、秒、など
容積(かさ) L、dL、mL、など
重さ g、mg、kg、など
速さ m/秒、km/時、m/分、など
面積 cm2、m2、ha、など
体積 cm3、m3、mm3、など

です。

中学校以降、数学の範囲においてはこれ以上の単位の種類は出てくることはありません。つまり、数学において使われる単位のほとんどは、小学校のうちに学び切るものです。

算数だけに単位の勉強を詰め込みすぎて大変だ! ということではありません。この事実は、「算数と数学の違い」を体現している具体例といえるのです。

算数よりも数学のほうが抽象的なものを扱うことが多く、その数学で使う計算手法を身近な具体例をまじえつつ学ぶのが算数である──こういう関係なので、身近な実在するものに関連する「単位」は算数のうちに学び切る、という構造になるわけです。

しかしながら、この「単位」について改めてもっと深堀りしてみると、面白い歴史背景や数学的背景が潜んでいることがわかります。少し紹介しましょう。

さきほど挙げた単位のなかで、一番古くから「概念」として使われてきたものは「日」や「時」「分」など「時間」を表す単位です。ところが、史料において最も古くから存在が確認できているものは「長さ」の単位です。最初に出現するのは紀元前6000年ごろといわれており、「キュビット」という単位が存在していました。

キュビット紀元前14世紀、エジプトのアメンホテプ3世時代のキュビットを示す木の棒。金箔を貼られたものと革製ケース付きで折りたたみのもの Photo by Getty Images

他の単位も、現代とは別の名称ですが、たとえば重さは「シケル」、面積は「エーカー」、体積は「ガロン」といったものが、いずれも古くから存在していました。

単位は、人間が生活をしていくために必要不可欠な存在であったからです。

これら初期の単位の基準は、生活に紐づいたものから生まれています。