死後に周りから「せいせいした」と言われないために、考えるべきこと

人生の値打ちは死んだ後に定まる
週刊現代 プロフィール

中には催眠商法に引っ掛かっていると気が付かないまま、長年にわたって騙され続けるケースもあるという。ロバート・熊氏が続ける。

「一度騙されると、老後の資産がすべて吸い取られると言っても過言ではありません。子どもがいくら『父さん、もう行かないでくれ』と頼んでも、催眠商法の会場に行ってしまう。

 

直接、お子さんが業者に『これ以上、ウチの親に商品を売りつけないでくれ』と苦情を入れるケースもある。それでも、親はチヤホヤされたくて『子どもは関係ない、売ってください』と買っていくんです」

本人は自覚していないが、一度騙される人は何度でも騙される。高額の訪問販売や、「先祖の祟り」と言って壺などを売りつける霊感商法など、次々とハメられてしまう。結局、借金の肩代わりなど、子どもが尻ぬぐいをさせられる事例が後を絶たないのである。

周りが迷惑しているのも気付かず、亡くなった後に「死んでせいせいした」と言われるのは、なんとも切ない。

「じたばたして、みっともなかった」

「父が末期がんを宣告されたのは5年前のことです。父の希望で、自宅で療養することになりました。でも死への不安からか、父はだんだん自分勝手になりました。

母は夜中じゅう苦しむ父の背中をさすってあげるのですが、『そこじゃない、もっとしっかりさすってくれ』と怒鳴り散らすんです。だんだん母の顔つきが曇り、『なぜそんなにお父さんは私を苦しめるの?』と泣き出すようになりました。そしてとうとう母も寝込んでしまいました」

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こう語るのは都内に住むサラリーマンの三浦智樹氏(56歳・仮名)だ。がん宣告から3ヵ月後、自宅療養に限界が来たと感じた三浦氏は、父親を入院させることに決めた。
「面会に行くたびに、『家に帰せ』と怒る父に、『ならお母さんにあたらないでくれよ……』と心の中で叫びました」

結局、三浦氏の父親はそれから2ヵ月後、病室で一人、誰にも看取られることなく亡くなった。

介護ぷらす代表で在宅介護に携わってきた山川仁氏が語る。

「ある92歳の女性の例です。女性の子どもたちは病院から車で1時間離れたところに住んでいましたが、週に1回は面会に来ていた。なのに、女性は『息子たちが面会に来ない!

私が死ぬのを待っているんだ』と不満たらたら。せっかく来てくれた子どもたちに対して、ガミガミと文句を言うんです。しかも、頻繁にナースコールを押しては、スタッフを呼びつける。死期が近いということで精神的に不安定になることは承知していても、あまりに行き過ぎでした」

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