肥大化した帝国「共産主義中国」…その国家としての寿命を考えてみる

ソ連の自滅崩壊パターンを見よ
大原 浩 プロフィール

3)は、ソ連邦が崩壊した後、ロシアという狭い地域の統治に専念したことによって生きながらえたことを考えれば、ソ連邦が巨大すぎて、社会的、経済的、合理性を失っていたことは明らかだ。
 
同様に共産主義中国も、巨大化しすぎている。1人っ子政策の副作用による無戸籍者が多いことから、はっきりとはわからないが、現在の共産主義中国の人口は14億人と推計される。

日本の人口が1億2600万人であるから、日本11個分が共産主義中国ということになる。日本は1300年の継続的歴史の中で統治システムを完成してきたが、共産主義中国は、1949年にそれまでの文化・システムを全否定しひっくり返してできた政権であるから、日本の11倍もの人口を本当にコントロールできているのかどうかはあやしい。

ソ連邦も共産主義中国も領土拡大志向(帝国主義)が強い独裁国家である。共産主義独裁と帝国主義が結びついたのがファシズムであるから、彼らがアドルフ・ヒトラーのような領土拡大の野心を隠さないのはある意味当然だ。

 

しかし、経済的、社会的合理性から考えれば、彼らが行うべきは、むしろ「自国の領土分割」であり、不要な領土の返還なのである。

したがって、特に大きな問題の種になるような香港は速やかに英国に「返還」し、台湾の主権を認めて干渉しないようにするべきだ。もちろん、天井の無いアウシュビッツと呼ばれるウィグルや、大弾圧が行われているチベットも独立国として解放する必要がある。

そしてさらに、大陸中国本土を例えば、「北・中・南」、「沿岸部・内陸部」、「東・中・西」などの形で分割すればよい。

このあたりの議論は、前述した拙著「韓国企業はなぜ中国から夜逃げするのか」(講談社)の第4章「中国は強国になれるのか」72ページから88ページで展開している。

人口が多ければ国家が繁栄するというのは幻想である。トマス・ロバート・マルサスの「人口論」を持ち出すまでも無く、人口が多ければ養うべき人間も多くなるということを忘れてはならない。

米国は人口3億人以上を擁する巨大な国だが、各州の自治が確立した連邦制を採用しているから機能している。もし、米国が中央集権型国家であったら、とっくの昔に崩壊していたであろう。合衆国という言葉が象徴するように、米国はあくまで50の州の統合体なのだ。

古くはベネチア、現代ではシンガポールのように、人口が少ないからこそ繁栄している国は山ほどあるし、香港も言ってみればその1つ(の地域)だ。

「数で勝負する」共産主義中国の統治手法が香港で通用しないのは、自明である。