「NHKから国民を守る党」と「れいわ新選組」躍進の裏にあるもの

国民は政治、司法、報道に怒っている
大原 浩 プロフィール

民意が反映されない司法がN国党躍進大きな原因

「一点豪華主義」の政党の代表例といえるのが「NHKから国民を守る党(N国党)」であろう。

地方議会で勝利を重ねているときから注目していたのだが、今回の参議院選挙で政党要件まで満たす大勝利となった。

この政党が躍進したのには、三権分立の柱の1つである最高裁判所が下した愚かな判決の追い風もあった。

NHKの受信料制度に関する違憲訴訟で、合憲の判断が下されたことには本当にびっくりした。

ジョン・ロックにまでさかのぼる民主主義の歴史の中でも「契約(行為)自由」の原則は極めて重要で、奴隷ではない自由人である日本国民は「自らが望まない契約を締結する必要はない」のである。日本国憲法に定める例外は「税金」だけである。

したがって、筆者も親しい識者(念のため、自称識者ではない……)達も、当然違憲判決が下されるし、判決前に総務省に異例のヒアリングをしたのも「違憲判決が下されれば社会的影響が大きいから、その事前準備」であると考えていた。

 

このような愚かな判決が下される根本原因は、司法制度の劣化にある。まず、裁判所の裁判官は、司法修習所の成績優秀者から順番に選ばれるのが通例である。成績優秀でも自らの意思で弁護士になる者もいるが、概ね受験秀才で裁判官が構成されていることが「常識に欠けた」判決が多発する大きな原因である。

裁判が法律に基づいて行われる以上、法律を熟知した裁判官や検察官、弁護士が有利になるのは仕方が無いし、殴り合いで勝者を決めるよりははるかにましだ。それでも、裁判が「屁理屈王決定戦」に陥るのは避けるべきである。

例えば、現在の裁判所の仮釈放の判断基準も非常識である。仮釈放した容疑者(犯罪者)の保護観察(身元預かり)を、裁判官が輪番で務めるようにしたら、彼らの判断がどれほどひどい影響を与えているのかを身を持って知ることになるはずである。

また、裁判所の問題ではないが、池袋暴走老人への警察・検察の対応も国民の怒りを買った。

建前上、最高裁判所の国民審査はあるが、実際には全く機能していない。

さらには、常識が欠けた裁判官の誤った判断を一般国民によって補うべく始まった「裁判員裁判」の判決を、常識が欠けた裁判官の屁理屈で覆すということが平気で行われている。

行政も、「消えた年金」、「統計問題」などで信頼が失墜しているが、司法もそのでたらめさによって国民の信頼を失いつつある。

したがって、「選挙」によって、より確かに民意が反映される議会・政府への国民の期待が高まるのだ。