「NHKから国民を守る党」と「れいわ新選組」躍進の裏にあるもの

国民は政治、司法、報道に怒っている
大原 浩 プロフィール

経済的自由と政治的自由はつながっている

筆者が投資家として感じるのは、企業への投資で成功するためには、その企業が活動する地域において、「経済的自由が保証されなければならず、経済的自由と政治的自由は極めて密接に結びついている」ということである。

実は、筆者は2007年に、共産主義中国・韓国の投資から完全撤退し、翌2008年に「韓国企業はなぜ中国から夜逃げするのか」(講談社)という本も出版している。念のため、タイトルから誤解されがちだが、共産主義中国の抱える問題を扱った本である。

2003年以降、鄧小平が亡くなった後も「改革・解放」が順調に進展していたことから投資を開始した、しかし、2007年に共産党政権がガソリンの価格統制を行ったことなどから「改革・解放」が逆回転するのではないかという恐れを抱き撤退した。

韓国についてはそのような懸念は無かったが、何の恥じらいも良心の呵責も無く「夜逃げ」をする文化の国が、さらに発展するのかどうかということに疑問を感じたので、同じように撤退した。

現在の安倍政権は、米国が抜けた後のTPP11を見事にまとめ上げたことを考えても、歴史上もっとも外交で成功した日本のリーダーであるから、外国への侵略など行うとは考えられないが、権力というものは必ず腐敗するものである。

現在のところ、安倍政権に具体的かつ重大な問題は見当たらないが、「権力への牽制」は民主主義において必要不可欠であり、「モンスター・クレイマー」のように、政権の些細なミスをつついてわめき叫ぶ以外に脳が無い既存野党は何とかならないものかと思う。

 

情報の非対称性が崩れたことによって、国民は自分で判断できるわかりやすい情報を求めるようになった。

インターネットはビジネスや投資の世界をこの数十年間で激変させたが、国民の知る権利についても同様である。

悪夢と呼ばれる民主党政権の成立には、新聞やテレビなどのオールドメディアが大いに貢献した。彼らがたれ流す「民主党は素晴らしい」というフェイクニュースに踊らされた国民が誤った判断をしたというわけだが、その時に躍らされて民主党に投票した人は今でも後悔しているであろう。

しかし、それ以来さらにインターネットが普及・発展した今日では、同じことを実行しようとしても無理だ。

いくらオールドメディアがフェイクニュースを流しても、国民はインターネットですぐにその話の裏をとれるようになった。

それでもフェイクニュースをたれ流すオールドメディアは、「嘘を発信する媒体」との印象を国民から持たれている。つまり、新聞やテレビなどのオールドメディアの情報など最初から信じない、欧米並みになったというわけだ。

民主主義がより進化して、密室とオールドメディアで政治が決められ時代から「国民の意志がより強く政治に反映する」世界へと移行したわけだが、副作用もある。

多数の国民の支持を得るには、どうしても「わかりやすさ」を優先せざるを得ない。もちろん、政治家が国民に政策をわかりやすく説明すべきなのは当然なのだが、政策の中身よりも「見かけ・印象」により重きを置くイメージ戦略に傾倒し、ワン・イシュー政党とも呼ばれる、「一点豪華主義」の政党ばかりが台頭することである。