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文在寅政権の「反日」と安倍政権の「戦略的無視」が日韓にもたらす結末

ケンカしている場合ではないのだが…

「災害回避」とは真逆の愚行

このコラムで何度も述べてきたが、21世紀前半の東アジアを深く覆っているのが、覇権国アメリカと、台頭する中国との角逐である。

アメリカは20世紀に引き続いて、アジア全体を自国の強い影響下に置こうとしている。それに対し中国は、東アジアを「古代の姿」に戻そうとしている。古代の姿とは、19世紀前半まで事実上、連綿と続いてきた、中国を中心とした「冊封体制」(中国を宗主国、周辺国を属国とする主従関係)である。

そのため、東アジアでは自ずと、まるでフォッサマグナ(大地溝帯)のように「火山の噴火」や「大地震」が発生しやすくなる。アメリカという「旧プレート」と、中国という「新プレート」が、各所でぶつかり合うからだ。

9月1日、米中貿易戦争の「第4弾」が発動された。アメリカは中国からの輸入品1100億ドル分に、15%の追加関税を発令。中国も750億ドル分のアメリカからの輸入品に、5%~10%の追加関税をかけた。

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アメリカは来年秋に大統領選を控えており、対中強硬策がもてはやされる。一方の中国側も、先月の北戴河会議で「アメリカとの持久戦を戦い抜く」との方針を示しており、譲歩しない構えだ。このままいくと、米中双方が互いの輸入品に30%の追加関税をかけ合うという最悪の事態を迎える可能性が出てきた。

米中の角逐については、新著『ファーウェイと米中5G戦争』(講談社+α新書)で、その最前線を取材し、詳述した。

こうした環境下において、アジアで真っ先に被害を受けるのは、中小の国々である。そのためアジアのすべての国が、必死に身を潜め、近隣諸国と協力して、少しでもその「災厄」が自国に及ばないよう努めるのが、自然な姿である。火山の噴火や地震の発生は防げないとしても、常日頃からの「防災訓練」によって、被害を最小限に食い止めることはできるからだ。

 

ただでさえ、「小規模噴火」は東アジアのあちこちで起きている。香港のデモ、北朝鮮のミサイル発射などだ。来年1月に総統選挙を控えた台湾も、すでに混乱の「黄信号」が灯っている。

それなのに、いま日本と韓国がやっていることは、「災害回避」とは真逆の愚行である。世界3位(日本)と12位(韓国)の経済大国は、いまこそ協力しあうべき時だというのに、「コップの中のケンカ」によって、両国とも自ら「災害」を招き入れようとしているに等しい。まさに「自殺行為」だ。

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