「転んで死ぬことになった」60代以上の人たち…その悲しすぎる結末

60すぎたら、転んではいけない
週刊現代 プロフィール
83歳の男性が愛犬の散歩中、突然走りだした犬についていけず転倒。リードを持っていた右側の手首と肩、大腿骨を骨折。さらに転倒によって顔面を20針縫う裂傷を負い、細菌感染。敗血症にかかり亡くなった。
国内旅行の帰り道、土産物の荷物が多かったため最寄り駅からタクシーを利用した72歳の女性。自宅に到着しタクシーを降りるときに縁石に躓く。両膝を複雑骨折し歩行困難に。車椅子生活となり、体力が低下。認知症も併発し、半年後には寝たきりになり、痰を喉に詰まらせて死亡。
83歳の女性が自宅にかかってきた電話を取るため寝室からリビングに移動しようとした。その際、高さ2cmほどの敷居に躓き転倒。首の骨を折り意識不明に。夫が救急車を呼ぶが救命救急の甲斐もなく、頸椎骨折と頸髄損傷で落命。
 

転倒が怖いのは、それがクセになってしまうところだ。これまで複数回の転倒骨折を経験した女優・香山美子さん(75歳)はこう振り返る。

「最初の骨折は62歳。自宅の階段で転び、膝を強打しました。夜中で、リビングに行こうとして電気を点けず階段を下りてしまった。毎日使っている階段だし、明かりがなくても大丈夫と過信してしまったんです。

朝になると膝はパンパン。急いで近所の整形外科で診てもらったら、膝下の脛骨が折れていました。先生からは『歩けるようになる確率は5割』と宣告されました。すぐに脚を石膏で固められ、安静状態に。介護用ベッドを借りて、自宅で寝たきりの日々を余儀なくされました」

その後、香山さんを待っていたのは地獄のリハビリ生活だった。苦もなく曲がっていたはずの膝が言うことを聞かない。少し曲げただけで激痛が走り、悲鳴をあげた。

Image by iStock

香山さんの膝は2ヵ月に及ぶリハビリで完治。だが、その3年後には映画館の階段で転倒し、両足の甲を骨折した。

「いちばん悲惨だったのは、1年半前の事故です。スリッパを履いて自宅の廊下を歩いていたら、滑って転んでしまった。これまでの骨折で足腰が弱っていたのでしょうか。あまりの痛みで気を失ってしまった。

転んだ際に腰を打ち、腰椎を圧迫骨折しました。レントゲンを撮ったら、腰骨が1・5cmほどグシャリと潰れてしまっていた。さらに圧迫骨折の1ヵ月後には、ベッドカバーの紐に足をひっかけ右膝を強打して骨折。その前の腰椎圧迫骨折のせいで体が自由に動かせなくなっていたんです。

これまではたまたま運が良く、死に繋がるような事態にはならなかった。でも、ひとつ間違えると大惨事になっていました。そう考えるだけでゾッとします」

日常のそこかしこに潜む転倒リスク。一度転んでしまえば、死を迎えるまではあっという間だ。