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文在寅政権の「自業自得」…もはや国の内でも外でも「四面楚歌」状態

ムチャな政策と醜聞のゆくえ

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領に対する国民の見方が少しずつ変化している。そのきっかけになったのが、文氏の最側近として検察改革に取り組んできた曺国(チョ・グク)次期法相候補にいくつもの不正疑惑が浮上したことだ。

同氏は、一皮むいてもスキャンダルが次々に出る“玉ねぎ男”とあだ名がついているほどだ。それに伴い、主要な支持基盤の一つであった若者からの批判も増えている。来年4月の総選挙を控え、文大統領は正念場を迎えることになりそうだ。

一方、海外情勢に目を転じると、最近、日米中は韓国をほとんど真っ当な相手としては扱わなくなっているように見える。北朝鮮ですら、既に韓国のことをあてにはしていないようだ。ある意味では、韓国の経済界や保守派にとって、こうした風向きの変化は待ち望んでいたものであるかもしれない。

保守派を中心に、文政権批判は熾烈化することが考えられる。ただ、韓国の国民の中にある反日感情は、そう簡単に消えるものではなさそうだ。われわれとしても、そうした状況を冷静に見る必要がある。

 

文政権を追い込む側近スキャンダル

韓国政治の歴史を振り返ると、過去の政権トップ、その親族などが大手財閥企業から不正に資金供与等を受けるといったスキャンダルが続いてきた。この結果、政権が変わると過去の政権トップなどが逮捕される展開が繰り返されてきた。中には、廬武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領のように、捜査から逃れるために自ら命を絶ってしまったケースもある。

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現在の文大統領は、政権発足とともに最側近の曺国(チョ・グク)氏を民情首席秘書官に任命し検察改革の指揮をとらせた。曺氏の指揮の下、検察幹部などが更迭された。さらに本年8月には60人以上もの検事が職を辞した。

それは一種、異常な事態だ。就任直後から文大統領は、過去の大統領、その親族などと同様の展開を避けようとして改革を進めた節がある。

文大統領は曺氏に検察改革を断行させ、自らの意に沿う人物を検察の主要ポストに置き、大統領任期後の生活の安定を確保したいと考えているのかもしれない。文氏にとって曺氏を法相に据えることは、自らの立場を守るための総仕上げの意味合いもあっただろう。さらに、文氏は、革新派の論客として大学改革や対日強硬姿勢をとってきた曺氏を自身の後継者として扱ってきた。