死の直前に起きる「お迎え現象」「手鏡現象」は妄想か、本物なのか

何度も目の当たりにした人がいる
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大切な人に逢えてよかった

お迎え現象や手鏡現象は、あくまで死の前兆の一つ。看取りに関わる人たちは、日々の現場で不思議な「死の前兆」を目撃している。前出の奥野氏は、こんな不思議な患者がいたことを明かす。

「『先生、私は3日後の朝6時に死にますよ』と言った患者さんがいました。なんでそんなことが分かるの?と聞いたら、『その日は大潮の日だから。潮の流れと命は一致するのよ』と答える。

実際、その3日後の朝6時に亡くなったんです。なにか自然の力と人の死がリンクしているのかな、とぼんやりと考えることはあります」

 

前出の大門氏は、「死の前兆」をハナから非科学的だと否定するのではなく、受け入れる柔軟性も必要だと説く。

「前兆現象の多くは、なぜそれが起こるのかについて、まだ議論の渦中にあります。ただ『懐かしい人が迎えに来てくれた』という体験は、死にゆく人にとっては大切なものでしょう。

看取る側も、安らかに亡くなったほうが安心できる。理由が分からない以上、なるべく前向きに捉えればよいのではないでしょうか」

前出の内藤氏も「死の瞬間には人智を超えたことが起こると理解したほうが、気持ちよく故人を見送れる」と言う。

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「ホスピスケアを学んだ人たちは『魂は肉体にさなぎのように閉じ込められている』と考えるようになります。

死の間際、肉体からその魂が少しずつ抜け出していくことで、生きている時には感じられなかったものが感知できるようになり、それが『お迎え現象』のような不思議な体験につながるのではないか、と。

本気でそう信じるかどうかではなく、そう理解して、優しい気持ちで故人を偲んであげることが大事なのです」

もしも自分や家族に死の前兆が現れたら、非科学的だと否定するのではなく、後悔しない最期を迎えるための準備を進めたほうがいいだろう。

「週刊現代」2019年8月24日・31日合併号より

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