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アフリカ開発会議「安倍演説」に込められた、中国と日本の大きな違い

「法の支配」で「一帯一路」に対抗する

42ヵ国の首脳が横浜へ

8月28~30日、第7回アフリカ開発会議(TICAD)が横浜市の国際会議場「パシフィコ横浜」で開かれた。アフリカ54カ国(国連加盟国)のうち過去最高の42カ国の首脳が一堂に会した。

ホストの安倍晋三首相は前日27日夕、フランス南西部ビアリッツで開催された主要7カ国首脳会議(G7ビアリッツ・サミット)を終えて帰国したばかりだった。疲れ知らずの安倍首相は自信に満ちた表情を見せながら基調講演で、日本のアフリカ支援の具体策を語った。

もちろん、それには理由がある。そもそも、安倍首相とTICADは浅からぬ縁があるのだ。安倍外交の基本コンセプトとして知られる「インド太平洋戦略」のことである。

 

少々、安倍外交の原点に遡る必要がある。安倍首相は2015年4月29日、米議会上下院合同会議で「希望の同盟」と題して演説を行った。その中で、次のように述べている。《……太平洋から、インド洋にかけての広い海を、自由で、法の支配が貫徹する平和の海にしなければなりません。そのためにこそ、日米同盟を強くしなければなりません。私たちには、その責任があります。……》

その翌年の8月、ケニアの首都ナイロビで第6回TICADが開催されたが、やはりその基調演説で「自由で開かれたインド太平洋戦略」を披歴していたのだ。この外交戦略は、秋葉剛男外務事務次官が総合外交政策局長時代に市川恵一同局総務課長(現駐米公使・政務担当)と協議を重ね、具体化したものである。

外務省は現在、中国を刺激したくないのか、「インド太平洋構想」と称する。がしかし、経済安全保障専門家の指摘を待つまでもなく、そして呼称はともかく、この「自由で開かれたインド太平洋戦略」が中国の習近平国家主席が打ち出した広域経済圏構想「一帯一路」に対抗するものであることは自明である。

事実、今回のTICADで安倍首相が語った一言「日本企業のアフリカ進出を助けるため、あらん限りの策を講じる」がすべてを物語っている。