【保存版】東京23区「人気ランキング」実際に歩いてわかったこと

東京のいい住宅地が変わった
週刊現代 プロフィール

足立区千住旭町

「足立区といえば治安が悪い、学力が低いなど何かとマイナスイメージが強かったですが、近年は物価の安さや都心へのアクセスの良さにより、若い世代からも注目されています。特に北千住周辺はもはや『穴場』ではなく『本命』になりつつあります」(東京23区研究所所長の池田利道氏)

足立区の南に位置する北千住駅は、JR常磐線、東武伊勢崎線、日比谷線、千代田線、つくばエクスプレスの5路線が乗り入れる巨大ターミナル駅だ。

乗降客数は1日あたり約150万人。これはなんと新宿、渋谷などにつぐ「世界6位」で、東京駅(8位)よりも多い。

駅ビルには、大型ショッピングモールの「ルミネ」が隣接し、西口にはマルイがある。店内はお年寄りから若者まで、多くの買い物客でにぎわっていた。

2000年以降、駅周辺の再開発が進み、ビルや高層マンションも増えてきた。来年には高さ110m、30階建てのマンション「千住ザ・タワー」が完成する予定だ(価格は3LDKで7000万~8000万円)。

千住旭町がある東口に出てみると、目の前には「学園通り」と呼ばれる道がまっすぐに伸びている。右手には、'12年に神田から千住に移転してきた「東京電機大学」の真新しい校舎が燦然と輝いている。

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学園通りを1分も歩けば「千住旭町商店街」に差し掛かる。道沿いには、昔ながらの居酒屋やラーメン屋、日用雑貨店などが立ち並ぶ。商店街を抜けた細い道には一軒家が立ち並んでいる。

千住旭町に30年以上住んでいる男性が語る。

「ここの魅力的なところは、やっぱり交通の便でしょう。北千住駅に近く、電車にさえ乗ればどこに出るのも楽。東京や大手町まで15分とかからない」

近くには北千住に4店舗を構え、60年以上地元民から親しまれる「スーパーTANAKA」がある。どの食材も安いのはもちろん、約30種類の出来たてのおかずから3品を選び、その場でご飯を盛ってくれるお弁当が特に人気だという。値段はみそ汁付きで500円。

昔ながらの銭湯文化も残っている。

「北千住といえば、寿町の『大黒湯』が有名だけど、旭町にも『梅の湯』や『美登里湯』などがある。夕方になれば、みんなが集まる憩いの場だよ」(地元に住む60代男性)

 

さらに千住旭町を南に進む。夏の日差しの中、汗だくになって歩いていると昭和にタイムスリップしたような八百屋を発見した。

一軒家の間口を広々と使った売り場に、スイカや野菜が並べられている。店主(70歳)に声をかけると笑顔で迎えてくれた。自身は3代目で、店は今年で100年になるという。

話している最中、子供連れの若い奥さんが通ると「お帰り。今日も暑いねえ」と店主が声をかける。

「ここは川と踏切に囲まれた街だから、住んでいる人はみんな家族みたいなものなんだよ」

そう言いながら、奥から取り出してくれたのは、お手製の梅漬けゼリー。「暑いから食べていきな」と記者に差し出してくれた。巨大なターミナルでありながら住民同士のつながりが残っている点こそ、千住旭町の人気上昇の理由であると感じた。