地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。
"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。
この日、政府の北海道開拓使が札幌市に設立した日本初の麦酒醸造所が竣工を迎えました。これは開拓使次官の黒田清隆の指揮のもと、有志によって始められたものです。
開拓使のビール醸造は開拓使廃止後に農商務省の所管となり、1884年に大倉喜八郎の大倉財閥、渋沢栄一の渋沢財閥、浅野総一郎の浅野財閥などが出資して設立された札幌麦酒株式会社が引き継ぎ、現在もおなじみのサッポロビールのブランドで醸造が開始されました。
ところで、日本における麦酒(ビール)のはじまりは、蘭学者の川本幸民(かわもと・こうみん)が1853年におこなった醸造実験とされています。
1870年にアメリカ人のウィリアム・コープランド(William Copeland、1834-1902)が、横浜の天沼(現在の中区諏訪町)で発見したビール醸造に適した硬水を使って、ルイ・パスツール(Louis Pasteur[フランス語]、1822-1895)が開発した低温殺菌法を導入して醸造した「天沼ビール」が、本格的なビール醸造の始まりと言われています。こちらの天沼ビールは、紆余曲折ののち、現在のキリンビールにつながります。
開業当時の札幌麦酒醸造所の生産量は、年間で大ビン7万本ほどだったそうです。ちなみに、現在の日本のビール製造量は年間で大ビン84億本ほどで、数ある酒類の中でも最もよく飲まれているお酒です。
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