『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』という任天堂製作の有名なゲームがあります。
グローバル市場では一時期勢いを失っていた日本製のゲームですが、このゲームは日本人独自のきめ細やかなマップ&謎解き、どこに行っても、どんな順序で何をしてもいい、という海外で好まれるシステム(=オープン・ワールド)を融合し、世界中で絶賛されました。
このゲームの開発で面白いエピソードがあります。
開発中、三次元のゲーム空間を開発者達で共有し、そこをオンライン上の仕事場として同時に作業を行なったのです。
https://game.watch.impress.co.jp/img/gmw/docs/1078/888/html/tec07.jpg.html
たとえば、誰かがある場所でバグを見つけると画面上で直接報告し、その場所自体にバグ内容を書き込めるようになっています。しかも、バグを報告した人にその修正確認を義務付けないことによって「面倒」を減らし、バグ報告のモチベーションを上げる工夫をしました。それなりの規模を持つ企業開発ソフトウェアとしては異例の工程となったようで、その速度感も上述のきめ細やかなマップ作り込みに繋がっていったようです。
一方、この文章を今読んでいる多くの方は、そんな理想的な作業場で仕事をしているわけではないでしょうし、そもそも多くの人が従事する書類作成には、共有できる「地図」がありません。
また、たまたま今クリエイティブな仕事をしている人でも、恐らく、「届く頃には遅すぎで意味がなくなる形式的報告書」や、「後で困りそうな文言の削りすぎで意味不明な議事録」のようなものを書いた経験があるのではないでしょうか?
確かに、それは無意味だけれども、やらない訳にはいかない。皆がクリエイティブになれるわけはないし、それが現実というものです。それに、もしかしたら、「無意味な仕事」なんてないのかもしれませんから。