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なぜ、コンビニのコーヒーは破格の「1杯100円」を実現できたのか?

価格破壊を可能にしたカラクリ
小川 孔輔 プロフィール

3回目の挑戦だったコーヒー販売

じつは、セブン-イレブンがコーヒーの店頭販売を手がけたのは、セブンカフェが最初ではありません。3回目の挑戦だったのです。

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1980年代前半に店内でコーヒーを販売したのが最初です。当時、都内の人気店では、平均的な喫茶店をはるかに超える、1日260杯という売上がありました。

しかし、そのコーヒーの販売サービスは中止されます。それは、コンビニで取り扱う商品が飽和状態となっていたため、多くの店舗で現場のオペレーションが限界を超えていたのではないかと推測されます。

具体的には、1980年代当時、チキンやコロッケなどのホットフードの販売が当たり前になってきており、さらに、野菜や果物などを取り扱う店も増えてきました。コーヒーはセルフ方式で販売するとはいえ、メンテナンスなどの手間を考えると、マニュアルどおりの運営は現場での負荷が大きすぎたのでしょう。

 

2回目のチャレンジは1988年でした。このときは、注文を受けてからその場で1杯ずつつくるドリップ方式に切り替えました。そして、1990年にはカートリッジ方式に切り替えるなど、オペレーションのマイナーチェンジが施されましたが、定着するには至りませんでした。

オペレーションの状況は、その後も根本的には変わっていないはずです。それなのに、なぜ、セブン-イレブンはセブンカフェを導入したのでしょうか?

じつは近年、コーヒー豆は供給過剰で価格が下がっているのです。投機マネーが別の商品に移ったこともあり、コーヒー豆相場は1986年から1988年にかけて急落して約半分の価格になりました(なお、2019年1月時点も同水準です)。

この状況から、セブン-イレブンはコーヒーの粗利益率がさらに高まると考え、セブンカフェ導入の決断をしたのだと思われます。