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韓国・文在寅が「画餅外交」で、北朝鮮に「手下扱い」され続けるワケ

相手にされていない
村上 和巳 プロフィール

私が目にした「北朝鮮インフラの脆弱さ」

加えて北朝鮮の工業インフラは友好国のロシアや中国から冷戦期に導入したものをリプレイスせずに利用しており、稼働率はかなり低いものと考えられている。中には日本植民地時代の設備をいまだ利用しているケースもある。

また、産業構成比率で工業よりも割合が高い農林水産業でも、インフラや技術の不足が従来から指摘されている。とくに農業は1990年代までに生産性を無視した現場指導や自然災害などの影響で食糧自給率が著しく低下し、一時は餓死者が出るようなありさまだった。現在は回復基調にあるとはいえ食糧難は続いている。

そもそも北朝鮮国民全体の必要な穀物量は約600万トンと言われているが、国連食糧農業機関(FAO)と国連世界食糧計画(WFP)の推計値では2018年農業生産物量は490万トン程度で、これは過去10年で最低だった

 

私は1992年と2008年に北朝鮮に入国したことがあるが、その際に目にした北朝鮮の状況はおよそ韓国とは比較にならないレベルだったことを記憶している。

1992年の出国時は首都平壌から中国の北京を結ぶ国際列車を利用したが、平壌を出発して1時間ほどで車窓から、都市部ではほとんど見かけない自転車で走る人をたった一人だけ見かけた。

国際列車はこの自転車とひたすら並走を続けた。要は国際列車の速度は自転車とほぼ同程度だったのだ。この理由について、線路や枕木の一部が日本植民地時代のものをだましだまし使っていたからだと知ったのは帰国後のことだ。

また2回の渡航でともに訪れた軍事境界線近傍の開城(ケソン)では、15年以上経ても中心街の建物がほとんど変わらない、というか、より劣化したままで佇んでいた。

北朝鮮第二の都市・開城市にある高麗王朝時代の教育機関の建物を利用した高麗博物館内のトイレ。水洗・手洗い用のバケツが設置してあった。手洗い場の蛇口をいくらひねっても水は出なかった。(2008年筆者撮影)
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そして2008年時点ですら観光客が利用するトイレでは水洗が機能せず、トイレのど真ん中に水が入った大きなバケツとひしゃくが用意してあるようなありさまだった。