反抗期がないことを喜ぶ親たち

反抗期がないことを子育ての成功であるかのように勘違いしている親が多いのには、どういう背景があると考えられるのでしょうか。灘の大森先生の意見はこうです。

「父親と母親がいっしょになってしまっている可能性が高いんです。要するに、子供に対する接し方とあり方が。クラブ活動の試合に、父親と母親がそろって応援に来るとかいっぱいあって。それはそれでいいんやろうけど。昔は父親が壁で、父親と息子の間に母親が入って、その逆でもいいんでしょうが、そういう分業が成り立っていましたが、いまではもう父親も母親も一生懸命になってしまってまるで家族ぐるみでやってしまうという」

手を繋いで出かけることができるのも、子どもが幼いときのみ、のはずだ Photo by iStock

開成の葛西先生は次のように証言します。

「壁になっている親というのが少なくて、やっぱり友達に近い親子関係が増えています。だから反抗期が少ない。この 20 年くらいの傾向かなと思います。反抗期にすべきだったことはいったいどこに消えているんだろうというのは気になります。子供も親の言うことをよく聞くので、親がコントロールしやすい面もあります。親もいろいろ学習していますしね、子供を上手に操作する方法を」

これは最近私も気になるところです。本来コーチングのようなテクニックは子供の自己実現をサポートするために利用されるべきですが、悪用すれば、子供を親の思い通りにコントロールすることに利用できなくもない。そうやってわが子をソフトコントロールする親が増えているように私も感じます。