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「中国がクシャミをすれば、欧州が風邪をひく」時代がはじまっている

一体どうなる、一帯一路の副作用

世界へ伝播する「米中経済戦争」

トランプ大統領と中国との貿易戦争については、これまでも書いてきたが筆者は、来年11月の大統領選まで終わらないと考えている。

さらに最近、この「戦争」状況は激化している。当然のことながら、中国経済、そして世界経済も悪化している。

仕掛けたはずの米国にすら影響は及んでおり、本末転倒ではあるが、米国は金利を下げることによって、景気回復を図ろうとしている。

いうまでもなく、中国経済の状況は、それよりも深刻である。そして、中国が世界経済のハブとなろうとしてきたことで、経済戦争の悪影響が、中国経由で世界に伝播するという現象がみられるようになっている。

ここでは、その影響の経路としての「一帯一路」について考えてみたい。

 

未来をかけた「一帯一路」

マクロ経済学的に考えても、中国は、新興国(発展途上国)から先進国に向かう段階で、1人当たりGDPが1万ドルに近づくと成長率が落ちる、いわゆる「中進国(中所得国)の罠」に、今年から入ることが予想されてきた。

そもそも、新興国から中進国への移行は、豊富な労働力を生かし、海外からの投資を受け、生産性のより高い軽工業を成長させることによって可能になる。

しかし、その進行とともに、賃金が上昇し、より高い技術も要求されるようになるために、それ以上は成長の限界が来るとの考え方である。

1980年代初めに中進国となったブラジルやアルゼンチン、南アフリカなどがそれに該当するといわれている。中国自身も、それには十分気が付いているようである。

そこで、中国は、建国100年の2049年に、経済を含め米国を抜く超大国となるという国家目標を立てて、この限界を乗り越えようとしている。そのための政策の1つが「一帯一路」である。

つまり、インフラ投資先行によって、中国経済の規模を大幅に拡大しようという狙いである。